レミントンM870

レミントンM870（Remington Model 870）

レミントンM870は、アメリカのレミントン・アームズ社が1960年代中期に開発したポンプアクション式の散弾銃です。M31の後継機として位置付けられており、1980年代以降は狩猟や警察、軍隊などさまざまな目的で使用されています。M870は、その安定した性能と高い信頼性から、多くの国や地域で広く支持されています。

特徴と構造

その最大の特徴は、削り出しのスチール製レシーバーに代表される堅牢な構造です。耐久性が非常に高く、世界各国の警察や軍隊でも採用されており、バードパトロールや戦闘用など幅広い用途に使われています。

日本においても、陸上自衛隊の特殊作戦群や警察の特殊部隊、海上保安庁などで供給されており、民間においても、特に狩猟用として非常に人気のあるモデルとなっています。しかし、近年、2000年以降の現行モデルにおいてはコスト削減が進められ、品質が低下しているとの懸念もあります。具体的には、エキストラクターの加工法が変更され、耐久性や寸法精度が劣化し、排莢不良が発生することが見られます。これに対処するため、アメリカの銃器愛好家や一部の警察関係者は、サードパーティ製の非金属粉末射出成型法（Non-MIM）によるエキストラクターに交換することが一般的です。

バリエーション

レミントンM870は、基本的な設計や作動システムに大きな変更はないものの、数多くのバリエーションとオプションパーツが存在します。これにより、非常に高い拡張性を持つことがこの銃の大きな魅力となっています。

• - M870 ウイングマスター: スチールボディ、ウォールナット製のストックとフォアグリップを備えた高級モデル。銃身は交換可能で、放熱用のベンチレーテッドリブが付いたものもあります。
• - M870 エクスプレス: ウイングマスターの廉価版モデルで、素材や製法を見直し、価格を大幅に抑えています。
• - M870 ブリーチャー: ピストルグリップと短銃身を持つタクティカルモデルで、主にドアブリーチ用として設計されています。
• - M870 マリーンマグナム: 海上での使用を考慮したモデルで、ステンレス製のボディを採用し、潮風からの影響を最小限に抑えています。
• - M870 MCS（Modular Combat Shotgun）: 米軍の仕様に基づいて開発されたモデルで、ピカティニーレールやモジュラーな構成によって、さまざまな使用要件に応じたカスタマイズが可能です。

これらは数多くあるバリエーションの一部に過ぎません。市場にはM870を基にしたさらなる発展型や、異なる用途向けに設計された多数のモデルが存在します。例えば、M887などの発展型や、「マスターキー」と呼ばれるアンダーバレルショットガンも開発されています。

結論

レミントンM870は、その高い性能と堅牢な設計から、多くの用途で広く使用されています。しかし、製品の質が低下しているという批判もあり、今後の改良が求められるところです。多様なバリエーションも魅力の一つで、今後も多くの場面で利用されていくことでしょう。

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