レンタネコ

レンタネコ (2012年の映画)

『レンタネコ』は、荻上直子監督・脚本による2012年公開の日本映画です。主演は市川実日子。寂しい人々の心の隙間を埋めるため、猫を貸し出す女性と、猫を通じて様々な人と出会い、心を通わせていく姿を描いた作品です。ストックホルム国際映画祭コンペティション部門にノミネート、釜山国際映画祭でも上映されました。

あらすじ

平屋で、亡き祖母の思い出とたくさんの猫たちと暮らす女性、サヨコ。彼女は「レンタルネコ」という仕事をしています。リヤカーに猫を乗せて街に出かけ、「猫を貸し出します」と声をかけ、寂しさを抱える人々に猫を貸し出すことで、心の隙間を埋めていくのです。猫を求める人々との出会いを通じて、サヨコ自身もまた、心の温かさに触れていきます。

登場人物

サヨコ: 市川実日子が演じる、本作の主人公。亡き祖母の仏壇を守りながら、レンタルネコ業を営んでいます。本業は謎に包まれており、占い師など様々な在宅ワークで生計を立てている様子。収入には困っていないようです。
吉岡敏子: 草村礼子が演じる老婦人。夫と愛猫に先立たれ、寂しい日々を送っています。サヨコから猫を借り、一時的な心の安らぎを得ます。
吉田悟朗: 光石研が演じる中年男性。単身赴任中で、娘に臭いと言われたことを気にしています。家族の元へ帰るまでの間、猫をレンタルしますが、猫への愛情が深まり、手放せなくなってしまいます。最後はサヨコに懇願し、猫を譲り受けることになります。
吉川めぐみ: 山田真歩が演じるレンタカーショップの店員。サヨコとの会話を通して、自身の孤独に気づき、自らをCランクと評価します。
吉沢茂: 田中圭が演じる、サヨコの中学時代の同級生。インドへ旅立つ前に、女の子と過ごしたいという理由で、サヨコにメス猫を借りたいと申し出ます。
サヨコの隣人: 小林克也が演じる、サヨコを庭越しにからかう謎のおばちゃん。

スタッフ

監督・脚本: 荻上直子
撮影: 阿部一孝
照明: 松尾文章
録音: 木野武
美術: 富田麻友美
音楽: 伊東光介
主題歌: 平井ひらり「東京ドドンパ娘」
エンディングイラスト: くるねこ大和


『レンタネコ』は、猫と人との温かい触れ合いを通じて、孤独や寂しさを抱える人々の心の交流を描いた、心温まる作品です。荻上直子監督ならではの、ユーモラスで優しい視点が、観る人の心を癒してくれます。

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