ロイヤル・ホテル (カーディフ)

ロイヤル・ホテル (Royal Hotel)

ロイヤル・ホテルは、ウェールズのカーディフの中心部、セント・メアリ・ストリートとウッド・ストリートの交差点に位置し、グレード2に指定された歴史的建造物です。このホテルは、カーディフで最も古いグランドホテルとして知られています。

歴史と建築

ロイヤル・ホテルの建設は、1864年から1866年にかけてC・E・バーナードの設計により行われました。1866年7月3日の開業時には、地元の名士たちが集まり、豪華な晩餐会が催されました。当初このホテルは、スプローソン夫妻が経営しており、開業当時は客室数が70室でした。

ホテルの外観は4階建てで、イタリア風建築の特徴が見られます。1890年には、ホテルの角にさらに1階と屋根裏が増築され、客室数は120室に増加しました。また、近代的なエレベーターや使用人部屋が設けられ、設備が充実しました。宴会場は2階に位置しており、最大で400名が収容可能でした。

スコット大佐の送別晩餐会

1910年にロイヤル・ホテルで催された晩餐会では、南極探検の支援を目的として、著名な探検家ロバート・ファルコン・スコットの旅立ちを祝いました。この晩餐会は、カーディフ商工会議所の主催によるもので、特に重要な歴史的出来事とされています。現在、セント・メアリ・ストリート側の入口には、この晩餐会を記念するプラークが設けられています。この宴会場は、「アレクサンダー・ルーム」と呼ばれていましたが、1982年に晩餐会のメニューが発見されたことを契機に「キャプテン・スコット・ルーム」と名を改めました。

1983年には、カーディフに拠点を置くキャプテン・スコット協会が設立され、この歴史的なイベントへの関心が高まりました。

21世紀の変遷

2001年に一時休業に入ったロイヤル・ホテルは、2011年にスコットの晩餐会から百周年を記念して全面的な改装を行いました。新設されたバー「フィッツ」は、1939年にホテルのロビーに捨てられていた赤ん坊、パット・フィッツジェラルドに由来しています。また、2013年には、ミツバチの巣がホテルの屋根に設置され、そのための部屋番号も設けられました。これは、ミツバチの減少を防ぐためのウェールズ政府の取り組みの一環です。

2015年に発表された『Rough Guide to Wales』では、ロイヤル・ホテルが持つ美しいヴィクトリア朝の外観と、近代的なインテリアのコントラストに言及されています。現在の客室数は60室で、旅行者に快適な宿泊体験を提供しています。

このように、ロイヤル・ホテルはカーディフの中心でその歴史を刻み続けており、多くの訪れた人々にとって特別な思い出の場所となっています。

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