ロウリュ

ロウリュとは

ロウリュ（フィンランド語: löyly）は、フィンランドに伝わる伝統的なサウナ入浴法です。熱したサウナストーンに水をかけることで水蒸気を発生させ、サウナ室内の体感温度を急上昇させるのが特徴です。この蒸気によって発汗が促進され、爽快感を得られます。

ロウリュの仕組みと効果

ロウリュは、サウナストーンと呼ばれる特殊な石を熱し、そこに水をかけることで行われます。水が熱い石に触れると、瞬時に蒸発して大量の水蒸気が発生します。この水蒸気がサウナ室内に充満し、湿度と体感温度を上昇させます。体感温度が上がることで、発汗が促され、新陳代謝が活発になる、血行促進、疲労回復などの効果が期待できます。また、サウナストーンにかける水にアロマオイルを加えることで、リラックス効果や香りによる癒し効果も得られます。

各国のロウリュ

ロウリュは、フィンランドだけでなく、様々な国で独自の発展を遂げています。

ドイツのアウフグース: ドイツでは、ロウリュはアウフグースと呼ばれ、商業施設で人気があります。フィンランドのロウリュが静かに行われるのに対し、アウフグースでは「アウフギーサー」と呼ばれるスタッフがタオルなどを使って熱風を送り、体感温度をさらに上げるパフォーマンス的な要素が取り入れられています。
ロシアのバーニャ: ロシアのバーニャは、スチームサウナの一種で、ロウリュと同様に蒸気を発生させることで発汗を促します。また、白樺の枝葉を束ねた「ヴェーニク」で体を叩く習慣があり、これはフィンランドの「ヴィヒタ」と同様の効果を期待するものです。

日本のロウリュ

日本では2000年代から、ドイツのアウフグースを参考にしたロウリュが普及し始めました。特に大阪のサウナ施設が先駆けとなり、人気を集めています。日本のアウフグースでは、熱風を送るスタッフは「熱波師」と呼ばれ、タオルだけでなくうちわを使うこともあります。

従来の日本のサウナは、90〜100℃の高温低湿のドライサウナが主流でしたが、ロウリュは80℃以下の中温高湿であり、肌のピリピリ感や息苦しさを軽減する効果があります。近年では、ロウリュとアウフグースの違いが明確に区別されるようになりつつあり、アウフグースを提供する施設では熱波師が配置されていることが多いですが、ロウリュの場合は事前に確認することが推奨されます。

ロウリュは、サウナ愛好家にとって欠かせない入浴法の一つとなっています。発汗作用による爽快感やリラックス効果をぜひ体験してみてください。

関連項目

サウナ
アウフグース

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