ロシアの軍艦よ、くたばれ

「ロシアの軍艦よ、くたばれ」：抵抗の象徴

2022年2月24日、ロシアによるウクライナ侵攻が開始されたその日、黒海に浮かぶ小さな島、ズミイヌイ島で、この歴史的な言葉が生まれました。

ズミイヌイ島の攻防

ロシア海軍の黒海艦隊は、旗艦であるミサイル巡洋艦「モスクワ」と哨戒艦「ヴァシリー・ブイコフ」を率いてズミイヌイ島に接近。島にはウクライナの国境警備隊員13人が駐屯していました。ロシア軍は彼らに投降を要求しましたが、国境警備隊員の一人であるロマン・フリボフは、「ロシアの軍艦よ、くたばれ」と一蹴。

この勇敢な一言は、世界中に衝撃を与え、ウクライナ国民の抵抗の象徴として、瞬く間に広まりました。当初、島の警備隊員は全員戦死したと考えられていましたが、後に生存が確認され、ロシア軍に拘束された可能性が高いことが明らかになりました。

世界的な反響とウクライナの誇り

この出来事は、ソーシャルメディアを通じて瞬く間に世界中に拡散され、大きな反響を呼びました。ウクライナのゼレンスキー大統領は、ズミイヌイ島の国境警備隊員に「ウクライナ英雄」の称号を追贈することを発表。この勇敢な行為は、テキサス独立戦争中のアラモの戦いや、ザポロージャ・コサックの伝説と比較されるなど、世界中で語り継がれることとなりました。

この出来事以降、「ロシアの軍艦よ、くたばれ」という言葉は、様々な場面で使われるようになります。例えば、ロシア軍の鉄道輸送を妨害したウクライナの鉄道員は「ロシアの列車よ、くたばれ！」、ロシア船に燃料を求められたジョージアの油槽船は「ロシアの船よ、くたばれ！」と返答。また、ウクライナ軍が哨戒艦ヴァシーリー・ビコフを砲撃した際には、「あいつらにぶち当ててやった！」、「ロシアの船よ、くたばれ！」と叫びながら戦果を祝ったと報道されています。さらに、ウクライナ各地では、「軍艦」の部分を他の言葉に置き換えた道路標識や看板が登場するなど、抵抗のシンボルとして様々な形で表現されました。

記念切手の発行

ウクライナ郵便公社（ウクルポシュタ）は、この言葉を記念した切手デザインコンテストを開催。芸術家ボリス・フロフの作品が最多得票を獲得し、切手が発行されることになりました。この切手は、100万枚発行され、発表直後には巡洋艦モスクワの撃沈も報じられたこともあり、多くの人々がこの記念切手を購入するために郵便局に押し寄せました。切手は大変な人気となり、販売枚数制限が設けられたほどでした。

その後、5月には続編となる切手が発行され、当初描かれていた軍艦の姿が消え「完了」の文字が加えられました。

巡洋艦モスクワの撃沈

この出来事の象徴的な結末として、2022年4月13日、ウクライナ軍は巡洋艦「モスクワ」をネプチューン対艦ミサイルで攻撃し、撃沈することに成功しました。ロシア国防省は当初これを否定していましたが、後に「弾薬の爆発により損傷し、曳航中に沈没した」と発表しました。この撃沈は、ウクライナ国民の士気を大いに高めました。

世界各地で用いられる様子

「ロシアの軍艦よ、くたばれ」という言葉は、ウクライナ国内だけでなく、世界中でウクライナを支持する人々によって使われています。この言葉は、侵略に屈しない強い意志と、自由を求める人々の抵抗精神を象徴するものとして、今後も語り継がれていくでしょう。

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この出来事は、ウクライナの国民的英雄の物語として、世界中の人々の心に深く刻まれることでしょう。

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