ロシアン・ドールズ

ロシアン・ドールズ：愛と友情の複雑な織りなす青春群像劇

セドリック・クラピッシュ監督による2005年製作のフランス・イギリス合作映画『ロシアン・ドールズ』（原題：Les Poupées russes）は、2006年5月に日本で公開され、多くの観客を魅了しました。上映時間130分、R-15指定の本作は、『スパニッシュ・アパートメント』（2002年）の続編であり、後に『ニューヨークの巴里夫』（2013年）へと続く、クラピッシュ監督による青春三部作の第二章を担う重要な作品です。

本作は、複雑に絡み合う人間関係と、それぞれの登場人物が抱える愛や友情、葛藤を繊細に描き出しています。主人公グザヴィエを中心に、様々な人間模様が展開。それぞれの登場人物の人生が交錯し、時に喜び、時に悲しみ、時に葛藤しながら、成長していく姿が丁寧に描かれています。

魅力的なキャラクターたちが物語を彩ります。グザヴィエを演じるロマン・デュリスをはじめ、ウェンディ役のケリー・ライリー、マルティーヌ役のオドレイ・トトゥ、イザベル役のセシル・ドゥ・フランスなど、実力派俳優陣の熱演が作品に深みを与えています。特にセシル・ドゥ・フランスは、本作での演技が高く評価され、セザール賞助演女優賞を受賞しました。

物語は、前作『スパニッシュ・アパートメント』から数年後が舞台。グザヴィエは新たな恋に落ちますが、過去の恋愛の影や、周囲の人間関係の複雑さに苦悩します。友情、恋愛、そして人生における選択。様々なテーマが織り交ぜられ、観る者に考えさせられる余地を残しつつ、最後は希望に満ちた印象を与えます。

クラピッシュ監督の巧みな演出により、パリの街並みを背景に、登場人物たちの感情や人間関係が鮮やかに描かれています。軽妙なユーモアとシリアスな場面が絶妙にバランスを取り、最後まで飽きさせない展開が魅力です。

キャスト陣の自然体で魅力的な演技、そして監督の繊細な演出によって、青春の喜びと苦悩、愛と友情の複雑さをリアルに表現した『ロシアン・ドールズ』。登場人物たちの生き様を通して、人生の多様性や、人間関係の奥深さを改めて感じさせてくれる、忘れられない一本となるでしょう。

主なキャスト

ロマン・デュリス：グザヴィエ
ケリー・ライリー：ウェンディ
オドレイ・トトゥ：マルティーヌ
セシル・ドゥ・フランス：イザベル
ケヴィン・ビショップ：ウィリアム
アイサ・マイガ：カッシア
エフゲニア・オブラスツォーワ：ナターシャ
ルーシー・ゴードン：セリア
イレーネ・モンターナ：ネウス
ジヌディーヌ・スアレム
フレデリコ・ダンナ
クリスチャン・パグ
クリスティーナ・ブロンド
ベルナール・アレール

スタッフ

監督：セドリック・クラピッシュ
製作：マシュー・ジャスティス、ブリュノ・レヴィ
脚本：セドリック・クラピッシュ
撮影：ドミニク・コラン
* 編集：フランシーヌ・サンベール

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