ロシア帝国軍参謀本部

ロシア帝国軍参謀本部の歴史と構成

ロシア帝国軍参謀本部（Глава́нный шта́б）は、ロシア帝国の軍隊における重要な軍令機関です。参謀本部は、1812年に設置された監察部を起源とし、その役割や構成は時代と共に変化してきました。

歴史的背景

1812年1月27日、監察部が設立されると、その任務は主に軍の人事や兵籍の管理、宿営の整備、さらには検閲業務まで幅広く及びました。1865年の年末には、監察部と参謀本部総局が統合され、新たに参謀本部が創設されました。この時、参謀本部は部隊の統制や動員、戦闘訓練など多岐にわたる業務を担うようになりました。

当初、参謀本部は以下の6つの班から構成されていました。

• - 部隊機構班
• - 隊列班
• - 部隊経営班
• - 将校官等兵員班
• - 下級官等兵員班
• - 叙勲班

これに加え、軍事測量課や兵籍登録委員会、アジア班、船舶班、一般文書班、軍事印刷所なども参謀本部の下に組織され、ニコライ参謀本部アカデミーといった教育機関も据えられました。

組織の変遷

時間が経つにつれ、参謀本部の組織構成は何度も変化しました。1903年には、第1補給総監局、第2補給総監局、当直将官局、軍事報道局、軍事測量局がそれぞれの役割を果たしていました。1905年には参謀本部総局が創設され、主に補給業務や報道、測量がそれに移管されました。その後、1910年には、部隊機構や宿営の管理がより一層効率的に行われるように、関連する部局が再編成されました。

第一次世界大戦の勃発により、参謀本部には戦争による軍の損害を把握するための部署が新設され、戦傷者や戦死者の家族への年金保障といった役割も加わりました。しかし、このような業務も軍の構造変化の影響を受け、1918年の春には参謀本部自体が廃止されることとなりました。

機構と主要職務

参謀本部は、さまざまな部署によって運営されていました。1911年当時の主な部署は以下の通りです。

• - 当直将官課
• - 年金課
• - コサック課
• - アジア班
• - 管理班（1914年からは行政課として機能）
• - 経済委員会
• - 特別官房（軍事大臣宛の請願選別）
• - 兵站護送班

歴代の参謀総長

1866年以降、参謀本部を統率し、歴代の参謀総長は以下の方々です。

• - フョードル・ゲイデン中将（1866年 - 1881年）
• - ニコライ・オブルチェフ中将（1881年 - 1897年）
• - ヴィクトル・サハロフ中将（1898年 - 1904年）
• - ピョートル・フロロフ中将（1904年 - 1905年）
• - アレクセイ・ポリワノフ中将（1906年 - 1908年）
• - アレクサンドル・ムィシュラエフスキー中将（1908年 - 1909年）
• - ニコライ・ミフネヴィッチ歩兵大将（1911年 - 1917年）
• - ヴィクトル・ミヌート中将（1917年）
• - アレクセイ・アルハンゲリスキー少将（1917年）

このように、ロシア帝国軍参謀本部は長い歴史の中で様々な役割を果たし、時代の要求に応じて変遷してきました。

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