ロシオ広場

ロシオ広場の歴史と重要性

ロシオ広場（Praça de Rossio）、またの名をペドロ4世広場（Praça de D. Pedro IV）は、ポルトガルの首都リスボンに位置する広場です。このエリアはバイシャ・ポンバリーナ地区に属し、その特徴的な背景を持つ多くの歴史的な出来事の舞台となりました。広場は、中世から続く歴史を有し、かつて民衆の反乱や祝祭、さらには公開処刑などが行われた場所として知られています。現在では、市民や観光客が集まる待ち合わせスポットとしての役割を果たしています。

ロシオ広場の名称の由来

ロシオ広場の通称は、ポルトガル王ペドロ4世に由来し、彼は後にブラジルの初代皇帝ペドロ1世となりました。この広場は、サン・ジョルジェ城の麓に拡がるリスボンの歴史的な拠点として、特に13世紀から14世紀にかけて重要性が増しました。 "ロシオ"は古ポルトガル語で「所有者のいない草原」という意味があり、広場の歴史を反映しています。

中世から近世へ

1450年頃、ロシオ広場の北側にはエスタウス宮殿が建設され、集会や社会的な交流の場として機能していました。しかし、時が経つにつれてこの場所は、宗教裁判所として機能し、人々が公開で処刑される現場へと変わっていきました。1492年、ジョアン2世は広場にレアル・デ・トードス・オス・サントス病院の設立を命じ、この病院は1504年に完成し、広場の東側を占めました。病院の礼拝堂は壮麗なファサードを持つことで知られていました。

18世紀初頭には、革命の中心的な役割を果たしたアルマダス宮殿がありました。この宮殿は、1640年のスペイン支配に抵抗する貴族たちの集会所となり、その結果、独立宮殿とも呼ばれるようになりました。また、同時期に建設されたドミニコ会派の修道院と教会も、後に1755年のリスボン大地震によって破壊され、再建されました。

リスボン大地震とその影響

1755年の大地震は、ロシオ広場にも重大な影響を与えました。この地震の結果、多くの建物が崩壊し、特にレアル・デ・トードス・オス・サントス病院は大きな打撃を受けました。一方、独立宮殿は残存するものの、広場の再建が必要とされました。この再建は、建築家エウジェニオ・ドス・サントスとカルルシュ・マルデルの手により、ポンバル様式に基づくものとして進められました。

18世紀半ばには、バンデイラ・アーチが新たに設計され、広場とサパテイロス通りを結ぶ重要な建物が整備されました。1836年には大火があり、異端審問の宮殿が崩壊、その跡地にはマリア2世国立劇場が1840年代に作られました。

文化と社交の場

19世紀に入ると、ロシオ広場はポルトガル風のモザイク石畳で整備され、観光施設としての魅力が増しました。特に広場中央に位置するペドロ4世の像は1874年に設置され、その名でも知られるようになりましたが、長い間市民に十分に受け入れられることはありませんでした。

1886年から1887年には、リスボンの重要な交通施設であるロシオ駅が建設され、美しいネオ・マヌエリン様式のファサードで広場の北西に立っています。

現在のロシオ広場

今日のロシオ広場は、約1世紀以上にわたりリスボン市民にとって親しみ深い待ち合わせの場であり続けています。18世紀から営業している「カフェ・ニコラ」や、「パステラリア・スイーサ」など、伝統あるカフェや店舗が数多く点在し、観光客にも人気です。また、広場の北部にはマリア2世国立劇場と公共庭園があり、これらはもともと19世紀の上流階級のための場所でありながら、現在は市民や観光客に愛されています。

ロシオ広場は、歴史的な出来事を象徴するだけでなく、現代に至るまで人々の交流の場として重要な役割を果たしています。

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