ロスティスラブ (戦艦)

ロスティスラブ (Rostislav)

ロスティスラブは、ロシア帝国海軍が建造した前弩級戦艦であり、黒海艦隊のために特別に設計されました。この艦は前級の「シソイ・ヴェリキー」の後継として1隻のみが建造されましたが、武装や設計は大きく異なるものでした。主に同時期に設計された「ペトロパブロフスク級」をモデルとしており、副武装にはフランス式の砲塔を採用し、外観も似た特徴を持っています。

艦形と武装

ロスティスラブは平甲板型の船体を有し、艦首には衝角が備わっています。艦首甲板の前方には「1891年型 25.4cm（45口径）砲」の連装砲塔が設置され、周囲には厚さ254mmの装甲が施されています。この砲塔は悪化した戦場において主砲として非常に重要な役割を果たしました。

艦橋構造は真後ろから始まり、司令塔を下部に組み込んだ箱形の艦橋が特徴的です。両側には船橋（ブリッジ）が設けられ、後方には装甲で覆われた見張り所があります。艦橋の後方には中部にミリタリー・マストが立てられ、ここには47mm砲や37mm砲が装備されています。また、艦内への吸気用通風筒は煙突の周囲に8本立ち並んでいます。

後部の単脚檣には機関区が続き、ここから円形断面の煙突が2本直列に配置されています。煙突の周囲は艦載艇置き場になり、運用にはジブ・クレーンが使われます。後部艦橋の後ろには連装砲1基が設置されており、艦の後部には4基の副砲が配置されています。

主砲と副砲の性能

ロスティスラブの主砲には「1891年型 25.4cm（45口径）砲」を使用しており、この砲は225.2kgの砲弾を発射する能力を持っています。仰角35度に設定すると、最大16,836mの射程を持つことができ、俯仰は仰角35度・俯角5度の範囲で行われます。砲の旋回角度は首尾線方向を0度とし、左右135度の自在な移動が可能で、発射速度は1分に1発となっています。

対して、副砲には「1892年型 15.2cm（45口径）砲」を搭載しています。この砲は41.4kgの砲弾を仰角20度で最大11,520mまで射撃でき、俯仰は仰角20度・俯角6度で対応しています。砲は蒸気機関と人力によって動作し、発射速度は主に1発あたり1分を要します。

参考文献

• - 「世界の艦船増刊第35集　ロシア／ソビエト戦艦史」(海人社)
• - 「Conway All The World's Fightingships 1860-1905」（Conway）

関連項目

• - ソ連・ロシア海軍艦艇一覧
• - 戦艦一覧

ロスティスラブはその特徴的なデザインと強力な武装により、ロシア海軍の中で重要な位置を占めていた艦です。

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