ロス・ジャルディン諸島

ロス・ジャルディン諸島の歴史と伝説

ロス・ジャルディン諸島、またの名をロス・ブエノス・ハルディネス（Los Buenos Jardines）は、歴史的に存在が疑問視されている南太平洋の島々です。この群島は南鳥島とマリアナ諸島の間に位置するとされており、英語では「ザ・ガーデンズ（The Gardens）」とも称されています。この島々についての詳細を追うことで、私たちは過去の探検家たちの物語と地図上の神秘を解き明かしていきます。

発見の経緯

1529年のこと、スペインの探検家であるアルバロ・デ・サアベドラ・セロンがティドレ島からヌエバ・エスパーニャへの航海中にこの島々を発見しました。彼はこの地域を「ロス・ブエノス・ハルディネス」と命名し、16世紀の文献では、おおよそ北緯10度の位置とされていました。これにより、島々はマーシャル諸島の一部と考えられるようになります。

1543年にはルイ・ロペス・デ・ビリャロボスが同じく北緯9から10度付近でロス・ハルディネス諸島を目撃したとの記録があります。それにもかかわらず、18世紀に製作されたスペインの海図では、誤った情報が含まれ、ロス・ジャルディン諸島は北緯21から22度の位置に移されてしまいました。これにより、島の存在はますます疑問視されることとなります。

探索の試み

1788年、ジョン・マーシャルとトマス・ギルバートの探検船は、ロス・ジャルディン諸島の探索を試みましたが、残念ながら島々を発見することはできませんでした。それでも、彼らの探査を基にした海図には「ジャルディン諸島」と記載され、マーシャル諸島の名称が生まれることになります。その後も1900年には日本の軍艦『金剛』が、1926年にはまた別の船『満州』がこれらの島々を探しましたが、依然として発見には至りませんでした。

1933年、アメリカ海軍の測量艦『ラマポ』がこの地域を詳細に調査した際、島の存在を確認できなかったため、海図から削除されることとなります。この時期、日本の海軍でも約40年後の1972年11月に水路通報によってロス・ジャルディン諸島が海図から消されました。またその翌年には国際水路局でも同様の判断が下され、紀元前からの神秘的な島々は正式に地図から姿を消すことになります。

認識の変遷

ロス・ジャルディン諸島の興味深い点は、実在しないとされる島々でありながら、多くの歴史的記録に登場していることです。これらの島々は、探検家たちの勇気と冒険心を反映しており、彼らが直面した情報の不正確さや、当時の科学技術の限界を浮き彫りにしています。地図の世界では、実在しない島々が存在することがあるのです。

結論

ロス・ジャルディン諸島の物語は、単なる地理的な興味を超えて、探検と冒険、そして人間の探求心の象徴でもあります。これらの島々が一度は地図上に名を刻んだことは、歴史の一部として語り継がれるべきです。果たして、今もなお未発見の島はどこかに存在するのか、未来には新たな発見があるかもしれません。

もう一度検索