ロッキー4/炎の友情

『ロッキー4/炎の友情』について

『ロッキー4/炎の友情』（原題: Rocky IV）は、1985年にアメリカで製作された映画で、ロッキーシリーズの第4作です。この作品は、前作『ロッキー3』の続編として位置づけられており、当時の国際情勢、特に冷戦とソ連との緊張関係の緩和を背景に描かれています。本作は、興行成績においてロッキーシリーズの中で最高の成功を収めましたが、同時にその内容や演技に関して批判も多く、ゴールデンラズベリー賞では高い評価と低い評価が対照的に存在しました。2021年には未公開映像を加えたディレクターズカット版が公開されています。

ストーリー

物語は、ロッキー・バルボアがクラバー・ラングを打ち破り再びチャンピオンになるところから始まります。ロッキーは家族や友人に囲まれ幸せな日々を送っていました。しかし、彼の日常はソビエト連邦のアマチュアボクシング王者イワン・ドラゴの来米によって一変します。ドラゴは、ロッキーとの対戦を望む姿勢を貫き、これに影響を受けたアポロ・クリードがロッキーの代わりに挑戦を決意します。

ラスベガスで行われたアポロとドラゴのエキシビションマッチは、ロッキーがセコンドについて華やかに開催されますが、試合はエキシビジョンとはなりませんでした。ドラゴの圧倒的な力に翻弄されたアポロは、試合後に命を落としてしまいます。この悲劇を経て、ロッキーはドラゴとの対戦を決意し、逆境にもかかわらず全ての条件を飲んでソ連での試合に臨みます。

ロッキーはソ連の厳しい環境で肉体を鍛えつつ、彼を支えるデュークやポーリーと共にドラゴに挑みます。一方、ドラゴは科学者たちの手助けで驚異的なトレーニングを行い、ますます屈強なボクサーへと成長していきます。試合当日、ロッキーとドラゴは圧倒的な体格差がある中で戦いを繰り広げます。ロッキーは幾度もマットに沈むものの、決して諦めずに立ち上がる姿にドラゴは恐怖を抱くようになります。観客の心が次第にロッキーに傾く中、試合は熾烈な戦闘へともつれ込みます。

最終的に、ロッキーはドラゴを打ち破り、勝利を手にします。リング上でロッキーは観衆に向けて平和的なメッセージを訴え、冷戦という時代背景を反映したメッセージ性を持った結末を迎えます。このシーンは観衆に大きな感動をもたらしました。

キャスト

主演のシルヴェスター・スタローンは監督も兼任しており、本作のストーリー全体に重みを持たせています。対するドラゴ役のドルフ・ラングレンは、この作品によって一躍注目を浴び、アクション俳優としての地位を確立しました。音楽面では、サバイバーの楽曲「Eye of the Tiger」などが使用され、今でも様々なスポーツイベントにおいて親しまれています。

評価

本作はそのエンターテインメント性から、ストーリー構成に対する批判も散見されましたが、多くの人々にとっては心に残る作品として記憶に残っています。作品を通じて表現された友情や闘志、自己の変化を通じたメッセージは、今なお多くの視聴者に影響を与えています。ロッキーの成長物語は、単なるボクシングだけでなく、生きる勇気をも教えてくれるものです。

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