ロックン・ロール (レッド・ツェッペリンの曲)

レッド・ツェッペリン「ロックン・ロール」：偶発性から生まれたライブの定番

「ロックン・ロール」は、レッド・ツェッペリンが1971年に発表したアルバム『レッド・ツェッペリン IV』に収録された、彼らを代表する楽曲の一つです。ジョン・ボーナム、ジョン・ポール・ジョーンズ、ジミー・ペイジ、ロバート・プラントの4人全員が作詞作曲に関わっており、約3分40秒というコンパクトな時間の中に、ロックンロールの魅力が凝縮されています。

誕生秘話：偶然のジャムセッションから名曲が生まれるまで

この曲は、レコーディングのために滞在していたヘッドリィ・グランジでのジャムセッション中に偶然生まれたと言われています。イアン・スチュアートを迎えて行われたセッションで、ボーナムがリトル・リチャードの「Keep a Knockin'」のイントロを叩き始めたところ、ペイジが即興でリフを付け、そこから曲の骨格があっという間に出来上がったそうです。まさに偶然の産物と言えるでしょう。

シンプルながら強烈なロックンロール・ナンバー

「ロックン・ロール」は、ブルース形式に則ったシンプルな3コードで構成されています。しかし、そのシンプルさの中に、レッド・ツェッペリンならではの強烈なエネルギーが込められています。ボーナムのパワフルなドラム、ペイジの切れ味鋭いギターリフ、プラントのシャウト、そしてジョーンズの堅実なベースが一体となり、聴く者を圧倒します。また、メンバー全員が作曲にクレジットされている点も、レッド・ツェッペリンの楽曲としては珍しい特徴です。

イントロのドラムパターンは変拍子と誤解されることもありますが、実際にはリズムのトリックを用いた4/4拍子です。この独特のリズム感が、楽曲に独特の推進力を与えています。

ライブでの定番：オープニングからアンコールまで

「ロックン・ロール」は、『レッド・ツェッペリン IV』の発売に先駆けて、1971年春のアイルランド公演で初めて披露されました。当初はタイトルが決まっておらず、プラントは「It's Been A Long Time」と紹介していました。1972年の日本公演から1975年までは、コンサートのオープニングナンバーとして演奏され、ライブの幕開けを飾るにふさわしい、高揚感に満ちたパフォーマンスで観客を熱狂させました。1977年のアメリカツアーからは再びアンコールで演奏されるようになり、レッド・ツェッペリン解散後も、1985年のライブ・エイドや2007年のO2アリーナでの再結成ライブなど、特別な機会に演奏されています。

数々のカバーバージョン

「ロックン・ロール」は、多くのアーティストによってカバーされています。

ハート - 1980年のアルバム『Greatest Hits/Live』に収録。
heath - 1998年のアルバム『GANG AGE CUBIST』に収録。
スーザン・テデスキ - 2005年のアルバム『The Best of Susan Tedeschi - Episode One』に収録。
スティーヴィー・ニックス - 2007年のコンピレーション・アルバム『Crystal Visions – The Very Best of Stevie Nicks』に収録。

これらのカバーバージョンからも、「ロックン・ロール」が時代を超えて愛され続けていることがわかります。

まとめ

「ロックン・ロール」は、偶然のジャムセッションから生まれた、レッド・ツェッペリンを代表する名曲です。シンプルな構成ながらも強烈なエネルギーを放ち、ライブの定番曲として、今もなお多くのファンを魅了し続けています。

もう一度検索