ロック・ウィズ・ユー (マイケル・ジャクソンの曲)

ロック・ウィズ・ユー

1979年、マイケル・ジャクソンがリリースした「ロック・ウィズ・ユー」は、彼の代表曲の一つであり、アルバム『オフ・ザ・ウォール』からのシングルです。この曲は、作詞・作曲をロッド・テンパートンが手掛け、多くのヒットソングの中で際立った存在感を示しています。音楽史においても重要な位置を占めるこの楽曲は、1980年1月にビルボード誌の週間ランキングで第1位を獲得し、同誌の1980年度年間ランキングでは第7位にランクインしました。

アルバムとバージョン

「ロック・ウィズ・ユー」には、異なる2つのアルバムバージョンが存在します。初期にリリースされたオリジナルミックス版と、サビにハンドクラッピングが追加されたリミックス版です。リミックスでは、デイヴィッド・ウィリアムズのリズムギター部分が差し替えられており、シングル版では間奏の短縮が行われています。また、特に日本盤CDアルバムでは、リマスター版が登場するまでオリジナルミックス版が収録され続けました。さらに1995年には、プロデューサーのクインシー・ジョーンズのアルバム『Q's Jook Joint』でこの曲がカバーされ、2005年にはアシャンティによっても新たに生まれ変わることとなりました。

評価と影響

音楽評論家からも高く評価され、特にローリング・ストーン誌のJ・エドワード・キースは、この楽曲の独自の魅力を称賛しました。彼は「過剰さがないこの曲こそが素晴らしいのだ。シルクのような滑らかさと、微かに聞こえるギターの陰影、まるで音の上を滑るかのようなマイケルの歌声が印象的だ」と述べています。このように多くの感動を呼び起こす「ロック・ウィズ・ユー」は、今でも多くの人々に親しまれています。

ミュージックビデオ

また、楽曲の魅力はミュージックビデオにも色濃く反映されています。元の楽曲の短縮版を用いたビデオでは、マイケルが煌びやかなスパンコールのスーツをまとい、背景には光るレーザーが映し出されています。この映像は映画監督のブルース・ガワーズによって製作され、1979年にカリフォルニア州ロサンゼルスの800ステージで撮影されました。このビデオは後に『ビデオ・グレイテスト・ヒッツ〜ヒストリー』や『ナンバー・ワンズ』、『マイケル・ジャクソン VISION』などに収録され、多くのファンに楽しまれています。

クレジットと制作チーム

「ロック・ウィズ・ユー」の制作には、多くの才能が結集しています。マイケル・ジャクソンはリードおよびバックグラウンド・ヴォーカルを担当し、その他にもボビー・ワトソン（ベース）、ジョン・ロビンソン（ドラムス）、デイヴィッド・ウィリアムズやマーロ・ヘンダーソン（ギター）など、一流のミュージシャンが参加しています。さらに、ストリングスアレンジをベン・ライトが手掛け、ホーンズアレンジをジェリー・ヘイが担当しています。これらの職人たちによって、この楽曲は仕上げられ、今なおその魅力を放ち続けています。

「ロック・ウィズ・ユー」は、音楽的な完成度のみならず、マイケル・ジャクソンというアーティストの存在感を明確に示す一曲であり、伝説的なシンガーとしての地位を確立する礎となった作品でもあります。

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