ロニー・コールマン

ロニー・コールマン：伝説のボディビルダー

ロニー・コールマン（Ronald Dean Coleman、1964年3月13日 - ）は、アメリカ合衆国出身の元プロボディビルダーです。彼は、ミスター・オリンピアを前人未到の8連覇を達成し、その圧倒的な肉体とストイックなトレーニングで、ボディビル界に名を刻みました。アーノルド・シュワルツェネッガーと並び、史上最も偉大なボディビルダーの一人として認識されています。

生い立ちと経歴

ロニー・コールマンは、ルイジアナ州モンローで生まれ、グラムリング州立大学で会計学の学位を取得しました。大学時代は、フットボールチームでミドルラインバッカーとして活躍しました。卒業後、会計事務所での就職が難航し、ドミノピザで働くことになります。その後、警察官に転職し、1989年からテキサス州アーリントンで勤務。2000年から2003年までは予備警察官として活動しました。

ボディビルダーとしての道

ボディビルとの出会いは、同僚のグスタヴォ・アルロッタがきっかけでした。アルロッタは、コールマンにメトロフレックスジムを紹介し、オーナーのブライアン・ドブソンは、ミスター・テキサスに出場するためのトレーナーになることを条件に、ジムの無料会員権を与えました。トレーニングの結果、コールマンはミスター・テキサスで見事優勝。1995年のカナダ・プロでプロとして初の優勝を飾ります。その後も、1996年のカナダ・プロ、1997年のロシア・グランプリで優勝するなど、着実に実績を重ねていきました。

ミスター・オリンピアへの挑戦は、決して順風満帆ではありませんでした。1992年の初出場では入賞を逃し、その後も1994年15位、1995年10位、1996年5位、1997年9位と、苦戦を強いられました。しかし、1998年、コールマンはナイト・オブ・チャンピオンズで優勝し、その勢いのままミスター・オリンピアに臨みます。圧倒的な状態の良さで、優勝候補と目されていたケネス・ウィラーを破り、見事初優勝を飾りました。その後、2005年まで8連覇という偉業を達成し、リー・ヘイニーと並び、ミスター・オリンピア史上最も成功したボディビルダーとして名を馳せました。

2006年、ジェイ・カトラーに敗れ、ミスター・オリンピアの王座から陥落。2007年のラストチャレンジでは4位に終わりました。

トレーニングと身体

ロニー・コールマンは、フリーウエイトを好み、高重量を扱うことで知られていました。スクワットやデッドリフトで363kgを挙げるなど、その超人的なパワーは多くのファンを魅了しました。彼のトレーニング動画は、「The Unbelievable」「The Cost of Redemption」「On the Road」としてリリースされ、世界中のボディビルダーに影響を与えました。

しかし、高重量トレーニングは彼の身体に深刻なダメージを与え、2007年以降、数えきれないほどの手術を繰り返すことになります。2度の人工股関節置換や椎間板ヘルニアなど、満身創痍の状態でありながらも、彼はトレーニングを続けました。現在では、補助なしでは歩行が困難な状態ですが、ボディビルへの情熱は衰えていません。

人柄と私生活

ロニー・コールマンは、高い声と独特の掛け声で知られています。トレーニング中に発する「Light weight, baby!」や「Ain't nothin' but a peanut!」といった言葉は、彼の代名詞ともなっています。また、敬虔なクリスチャンであり、2度の結婚を経て、現在は4人の子供たちとテキサス州アーリントンで暮らしています。

ドキュメンタリー

2018年には、彼の人生を追ったドキュメンタリー作品「ロニー・コールマン: 偉大なる王者」がNetflixで配信され、再び注目を集めました。

ロニー・コールマンは、ボディビル界のレジェンドとして、これからも多くの人々に語り継がれていくでしょう。

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