ロビン・ホブ

ロビン・ホブ（Robin Hobb）

マーガレット・アストリッド・リンドーム・オグデン（Margaret Astrid Lindholm Ogden）は、1952年3月5日にアメリカ合衆国カリフォルニア州で生まれた小説家であり、主にファンタジーの分野で活躍しています。彼女は複数のペンネームを使い分けて作品を発表しており、中でも「ロビン・ホブ」名義は世界的に広く知られています。現在はワシントン州タコマを拠点に執筆活動を続けています。

ペンネームの変遷

作家としてのキャリアは、1983年に「メガン・リンドーム（Megan Lindholm）」というペンネームで始まりました。この名義で1992年までの約10年間、作品を発表しています。その後、1995年に新たなシリーズである「ファーシーアの一族（The Farseer Trilogy）」の執筆を開始するにあたり、「ロビン・ホブ」という別のペンネームを使い始めました。以降、彼女はこれら二つのペンネームを並行して使用し、異なるスタイルの作品を発表しています。

ロビン・ホブ名義の主要作品

ロビン・ホブ名義で発表された作品群の中でも、特に評価が高いのは「六公国（Realm of the Elderlings）」と呼ばれる広大な世界を舞台にしたシリーズです。この世界観の中で、複数の三部作（トリロジー）や四部作が展開されています。

その始まりとなったのが、日本語版も出版されている『ファーシーアの一族（The Farseer Trilogy）』です。これは主人公フィッツの視点から、彼の成長と激動の運命を描いた物語で、以下の三部作から構成されます。

騎士（シヴァルリ）の息子（Assassin's Apprentice, 1995年）
帝王（リーガル）の陰謀（Royal Assassin, 1996年）
真実（ヴェリティ）の帰還（Assassin's Quest, 1997年）

『ファーシーアの一族』に続くシリーズとして、同じ六公国の世界を舞台にした『道化の使命（The Tawny Man Trilogy）』があります。これも日本語版が刊行されており、再びフィッツを主人公に据えた物語です。このシリーズは以下の三部作です。

黄金の狩人（Fool's Errand, 2001年）
仮面の貴族（Golden Fool, 2003年）
白の予言者（Fool's Fate, 2004年）

六公国の世界では、上記以外にも、船に魂が宿る「ライブシップ」を巡る『Liveship Traders Trilogy』（1998年-2000年）や、ドラゴンの再生を描く『The Rain Wild Chronicles』（2009年-2010年）といったシリーズが展開されており、それぞれが相互に関連しながら壮大な物語世界を構築しています。

六公国シリーズとは別に、『Soldier Son Trilogy』（2005年-2007年）というシリーズもロビン・ホブ名義で発表されており、異なる世界観で物語が紡がれています。

緻密な人物描写と複雑に絡み合うプロットが特徴であり、読者の感情に深く訴えかける作風で、世界中のファンタジー読者から支持を得ています。デンバー大学を卒業後、作家としての道を歩み始めた彼女は、現在も活発な創作活動を続けています。

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