ロベルト・エンケ

ロベルト・エンケ：悲劇のゴールキーパー、その生涯

ロベルト・エンケ（Robert Enke, 1977年8月24日 - 2009年11月10日）は、ドイツ・イェーナ出身の元プロサッカー選手です。ポジションはゴールキーパー。

クラブキャリア

エンケは故郷のFCカールツァイス・イェーナでキャリアをスタートさせ、1995年に2部リーグでプロデビュー。その後、ボルシア・メンヒェングラートバッハへ移籍し、ブンデスリーガ1部での出場を果たします。1999年にはポルトガルのベンフィカへ移籍し、3シーズンを過ごしました。ベンフィカでは財政難や監督交代など苦しい時期を過ごしますが、その中でも好パフォーマンスを披露し、アーセナルなど複数のビッグクラブから関心を集めました。

2002年、エンケはスペインの名門FCバルセロナへ移籍。しかし、ここでは出場機会に恵まれず、フェネルバフチェへのレンタル移籍も経験します。その後、CDテネリフェへのレンタルを経て、2004年にハノーファー96へ完全移籍。

ハノーファーでは正GKとして活躍し、チームのキャプテンも務めました。その安定したパフォーマンスから、ドイツ代表にも選出され、2008年の欧州選手権では準優勝に貢献しています。2009年11月8日のハンブルガーSV戦が、エンケにとって最後の試合となりました。

代表キャリア

エンケはU-21ドイツ代表として15試合に出場。1999年にはコンフェデレーションズカップのメンバーにも選ばれました。2007年、ハノーファーでの活躍が認められ、ドイツ代表に再招集。同年3月28日のデンマーク戦で代表デビューを果たし、UEFA欧州選手権2008では控えとして準優勝に貢献しました。正GK候補として2010 FIFAワールドカップ欧州予選にも出場しましたが、怪我により離脱。その後、代表に復帰しましたが、2009年8月12日のアゼルバイジャン戦が最後の代表戦となりました。

私生活と死

エンケは学生時代に交際していた女性と結婚し、娘を授かりますが、2006年に心臓病で亡くしています。2009年には養女を迎えました。動物愛護にも関心が高く、多くのペットを飼っていました。

2009年11月10日、エンケはハノーファー近郊の踏切で列車に轢かれ、32歳の若さで亡くなりました。警察は自殺と断定。妻のテレサは、エンケが6年間うつ病に苦しんでいたことを公表しました。エンケの死はサッカー界に大きな衝撃を与え、世界中で追悼の意が表されました。

ハノーファーのホームスタジアムでは追悼式典が行われ、45000人もの人々が参列しました。エンケの棺はチームメイトによって運ばれ、亡くなった娘の隣に埋葬されました。

所属クラブ

FCカールツァイス・イェーナ (1995-1996)
ボルシア・メンヒェングラートバッハ (1996-1999)
ベンフィカ (1999-2002)
FCバルセロナ (2002-2004)
フェネルバフチェ (2003-2004, レンタル)
CDテネリフェ (2004, レンタル)
ハノーファー96 (2004-2009)

代表歴

ドイツ代表 (2007-2009)
代表デビュー: 2007年3月28日 vs デンマーク
代表通算: 8試合出場

ロベルト・エンケは、その才能と人柄で多くの人々から愛された選手でした。彼の早すぎる死は、サッカー界にとって大きな損失であり、今もなお多くの人々の心に刻まれています。

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