ロベール3世・ド・ラ・マルク

ロベール3世・ド・ラ・マルクの生涯

ロベール3世・ド・ラ・マルク（1491年 - 1536年）は、16世紀のフランスで著名な軍人であり歴史家です。彼はフランス元帥としての役割を果たしつつ、時に「若き冒険家」と自称し、その生涯を通じて多くの冒険に挑んできました。彼の軍歴や著作は、フランスの歴史において重要な位置を占めています。

幼少期と初期の軍事活動

ロベール3世は、アルデンヌのスダンで生まれました。父はブイヨン公であり、彼の子として恵まれた環境の中で成長しました。幼い頃から軍事演習に魅了され、10歳のときにはルイ12世の宮廷に送られ、アングレーム伯フランソワ（後のフランソワ1世）の担当を任されました。この頃から彼の軍事的才能が開花し始めます。1510年には、アンボワーズ枢機卿の姪ギュメット・ド・サールブリュックと結婚しますが、結婚からわずか3か月後に家を離れミラノのフランス軍に参加しました。

イタリアでの活動中、ロベールは少数の軍を率いてヴェローナで苦戦しますが、彼の軍事的野心は収まることを知らず、多くの遠征に参加しました。1512年にはフランドルに派遣され、1万人の兵を徴集し、父ロベール2世と共にイタリアに戻った際にはアレッサンドリアを占領するなどの戦果を挙げます。

フランソワ1世との関係

1515年、フランソワ1世と共にイタリアに戻ったロベールは、メレニャーノの戦いでの活躍により騎士に叙任されるほどの功績を上げます。彼はフランソワ1世との親密な関係を築きながら、その後も多くの戦争に従軍しました。しかし、1525年にはパヴィアの戦いで捕虜となり、長い間投獄生活を余儀なくされます。この間、彼はフランス元帥に任命され、歴史的な自著を執筆しました。

自著と歴史家としての評価

ロベール3世の著作『Histoire des choses mémorables advenues du règne de Louis XII et de François I（ルイ12世とフランソワ1世の記憶に残る冒険の歴史）』は、彼が見聞きした事実を丹念に記録したもので、この時期の歴史的背景を知る上で貴重な資料となっています。この書物は1735年に初めて出版され、以後再版もされており、彼の名は歴史家としても広く知られるようになりました。

最後の活動と死

1536年にはナッサウ＝ブレダ伯によるペロンヌの防衛に従事し、その年末には父の死を知り急いで帰路につきますが、ロンジュモーで病に倒れ、同年12月に亡くなりました。彼の死は多くの人々に惜しまれ、彼が築いた名声と業績は今も語り継がれています。

家族

ロベール3世は、ギュメット・ド・サールブリュックとの結婚から一男をもうけました。彼の子ロベール4世（1512年 - 1556年）は、ブイヨン公、スダン公としてフランス元帥にも任じられ、父の遺志を継いで活躍しました。ロベール3世の生涯は、軍人としての勇気や歴史家としての洞察力を兼ね備えた、充実したものでした。

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