ロボジッツの戦い

ロボジッツの戦い

ロボジッツの戦い（ドイツ語: Schlacht bei Lobositz）は、1756年10月1日にプロイセン軍とオーストリア軍の間で行われた会戦です。これは七年戦争の初期に起こった重要な戦いで、プロイセン軍が勝利を収めました。この戦闘は、戦争の進行に大きな影響を与え、両軍の戦術を見直す契機となりました。

背景

七年戦争が始まると、プロイセンのフリードリヒ大王はザクセンに攻め込み、ピルナ包囲戦を展開していました。この包囲の間にプロイセン軍はベーメン地方へ進軍し、オーストリア軍と接触することになります。一方、オーストリア軍はコリンに集結しており、ブロウネ将軍が指揮を取っていました。彼はプロイセンの進撃を阻止すべく、西岸からの反撃を計画していましたが、食料や兵源の不足から消極的な戦術を余儀なくされました。

ブロウネは、ザクセン軍を救うためにプロイセン軍に対抗する作戦を考えましたが、その実現には困難が伴いました。結局、ブロウネはプロイセン軍との接触を避けながら、エルベ川を横断しつつ、カウンターアタックを図る方法を選びました。

戦闘の展開

戦闘が始まると、プロイセン軍とオーストリア軍の両方が霧に覆われた状態で行動しました。プロイセン軍は砲兵を使って敵を追い払いながら進軍し、オーストリア軍は背後の川を防衛線としつつ、一部は丘に兵を展開しました。しかし両軍とも初期の配置確認に苦労し、相手の動きを正確に把握することができませんでした。

プロイセン軍は、主に右翼から突撃をかける計画を立てました。しかし、オーストリア軍の砲兵の強力な配置により、プロイセン軍は思うように前進できず苦戦しました。特に、オーストリア軍の砲兵は戦力が強化されており、プロイセン軍は多大な損失を被ることとなります。

その後、氷点下の気温の中、プロイセン軍は騎兵を使ってオーストリア軍の前衛を突撃しました。しかし、オーストリア軍の防御と激しい反撃に直面し、騎兵部隊は退却を余儀なくされます。この時、複雑な戦況における指揮系統の混乱から、プロイセン軍は予定していた行動が困難になりました。

ロボシュ山の攻防

午後には、霧が晴れ、両軍の動きが見えるようになりました。プロイセン軍はロボシュ山の攻略を進め、山を占拠するための激しい戦闘が繰り広げられました。ブロウネは山を守るために必死に抵抗し、プロイセン軍が攻め入るのを阻止するために残りの部隊を配置しました。

この頃、両軍の間では激しい白兵戦が展開され、プロイセン兵が攻撃を仕掛けては押し戻されるという死闘が続きました。両軍ともに多くの死傷者が出た中、プロイセン軍は最終的にロボジッツを占領し、オーストリア軍は撤退することを余儀なくされる結果となります。

戦闘の結果

ロボジッツの戦いは、技術的にはプロイセン軍の勝利とされますが、両軍の損害はほぼ同程度でした。オーストリア軍はブディンへと撤退し、プロイセン軍もその後の攻撃を控えました。この戦闘は両軍にとって貴重な経験となり、オーストリア軍の戦術の向上が確認されることとなります。戦後、大王は敵の強化を認識し、今後の戦闘にはより慎重になる必要があると悟ったのです。

さらに、この戦いはプロイセン軍とオーストリア軍との戦術の質に違いが生じ始めた瞬間とも考えられ、今後の戦闘に向けた重要な教訓を提供しました。

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