ロボット殿堂

ロボット殿堂（Robot Hall of Fame）

ロボット殿堂は、実在のロボットだけでなく、フィクションで描かれたロボットも含め、ロボティクスの発展に寄与したロボットを称えるための施設です。ここでは、ロボット技術の革新や、研究者たちの功績が広く認識されることを目的としています。実世界でのロボットの機能性と、未来の可能性を秘めたフィクションのロボットが一堂に会する場でもあります。

この殿堂は、2003年にアメリカ・カーネギーメロン大学のコンピューターサイエンス学部によって設立されました。このアイデアは当時の学部長であるジェームス H．モリスによって提案されました。彼は「実用的な機能を持ち、成功を収めたロボットや、フィクションを通じて人々を楽しませるロボットを称賛したい」と語っています。

ロボット殿堂の初のセレモニーは、2003年10月にカーネギー・サイエンス・センターで開催され、最初に4つのロボットが殿堂入りしました。その後、2004年以降は2年ごとに新たに殿堂入りするロボットが選ばれ、現在までに30体以上のロボットが選ばれています。

初期のロボット殿堂は主にオンラインでの存在でしたが、2009年にはカーネギー・サイエンス・センター内に恒久的なロボット展示場「Roboworld」がオープンし、殿堂もその一部として位置づけられました。これにより、訪問者は実物の展示を通じて、殿堂入りしたロボットについての理解を深めることができるようになりました。

ロボットの選考方法については、設立当初の2003年から2010年までの間は、ロボット研究者で構成された選考委員が選考を行いました。この選考は非常にオープンなもので、誰でも推薦理由やビデオ資料を提出することによって、候補となるロボットを提案することが可能でした。

しかし、2012年には選考プロセスが刷新され、一般投票が導入されました。ロボットの専門家107名が候補を選び、教育・消費者、エンターテインメント、産業・サービス、研究の4つのカテゴリーに分類後、各カテゴリーの上位3ロボットが候補として挙げられました。その後、オンライン投票を通じて、一般の人々も自由に候補ロボットに投票を行い、選考結果には専門家の票と一般投票がそれぞれ50%の重みを持つように調整されました。これにより殿堂入りするロボットが最終決定される形となりました。

ロボット殿堂の評価と選考基準は多様化しており、教育的価値やエンターテインメント性など、さまざまな観点からロボットが選ばれるようになっています。2012年以降、特定のロボットの殿堂入りについては発表されていませんが、館の趣旨に則ったロボットたちのさらなる活躍が期待されています。

ロボット殿堂は、技術革新を象徴する素晴らしいロボットたちを記念する場として、今後も多くの人々にロボットの魅力を伝えていくことでしょう。

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