ロレアル-ユネスコ女性科学者 日本奨励賞

ロレアル-ユネスコ女性科学者日本奨励賞：未来を担う女性科学者を育成

ロレアル-ユネスコ女性科学者日本奨励賞は、日本の若手女性科学者育成を目的とした賞です。将来の科学技術を担う人材を育成するため、第一線で活躍を目指す女性研究者への支援を積極的に行っています。化粧品メーカーの日本ロレアルと日本ユネスコ国内委員会が協力して、2005年11月に創設されました。この賞は、世界規模で展開されている「ロレアル-ユネスコ女性科学賞」の国内版として位置付けられています。

受賞対象者と選考

受賞対象者は、日本の大学院博士課程に在籍中または進学予定で、物質科学または生命科学の分野を研究する40歳未満の女性です。留学生は対象外となります。毎年、生命科学と物質科学の各分野から2名程度、合計4名程度の受賞者を厳正な審査を経て選考します。受賞者は9月に発表されます。

受賞内容

受賞者には、賞状と100万円の奨学金が贈られます。この奨学金は、受賞者の研究活動継続を支援し、さらなる研究の発展を促すことを目的としています。

歴代の受賞者とその研究内容

これまでに数多くの優秀な女性研究者がこの賞を受賞しており、それぞれの分野で革新的な研究成果を挙げています。受賞者の専門分野は多岐に渡り、原子核物理、神経科学、有機化学、分子生物学など、幅広い研究領域をカバーしています。以下に、過去の受賞者の一部とその研究内容を紹介します。

第1回（2006年）： 高峰愛子氏（原子核物理）、佐々木真理氏（膜電位感受性タンパク質）、野中美応氏（神経科学）など。
第2回（2007年）： 神谷真子氏（生態分析化学）、作田絵里氏（光化学）、三浦陽子氏（固体物理学）など。
第3回（2008年）： 田中奈津美氏（有機合成化学）、南谷英美氏（物性物理学）、大西なおみ氏（分子生物学）など。
第4回（2009年）： 海老根真琴氏（有機合成化学）、大串裕子氏（生物化学工学）、岩井玲奈氏（神経科学）など。
第5回（2010年）： 富永依里子氏（電気電子材料工学）、中村優希氏（物理有機化学）、野澤佳世氏（構造生物学）など。
第6回（2011年）： 植田桐加氏（有機化学）、竹原由佳氏（粉粒体物理）、水沼未雅氏（神経薬理学）など。
第7回（2012年）： 客野遥氏（物性物理学）、工藤まゆみ氏（構造有機化学）、髙田朱弥氏（分子生物学）など。
第8回（2013年）： 小原睦代氏（有機合成化学）、高山あかり氏（物性物理学）、野殿英恵氏（発生・生殖生物学）など。
第9回（2014年）： 中住友香氏（環境化学）、八木亜樹子氏（物性物理学）、垣本由布氏（法医学）など。
第10回（2015年）： 山本久美子氏（有機化学）、吉村瑶子氏（物性物理学）、林真妃氏（植物生理学）など。
第11回（2016年）： 北村未歩氏（物性物理学）、田仲玲奈氏（高分子科学）、丹治裕美氏（構造生物学）など。
第12回（2017年）： 秋山みどり氏（有機化学）、小川由希子氏（材料工学）、別所奏子氏（植物遺伝学）など。
第13回（2018年）： 茂垣里奈氏（有機化学）、黒田千愛氏（電気電子工学）、森本千恵氏（法医学）など。
第14回（2019年）： 藤森詩織氏（有機化学）、渡部花奈子氏（化学工学）、岡田萌子氏（植物遺伝学）など。
第15回（2020年）： 小野寺桃子氏（材料工学）、藤代有絵子氏（物性物理学）、坂上沙央里氏（遺伝統計学）など。
第16回（2021年）： 大小田結貴氏（天文学）、門脇万里子氏（材料工学）、大久保祐里氏（植物生理学）など。

これらの受賞者たちは、それぞれの研究分野において重要な発見や技術開発に貢献しており、今後の科学技術の発展に大きく期待されています。

特別賞

近年では、科学技術の発展に貢献した女性を称える特別賞も設けられています。受賞者は、国際機関で活躍する医師や、芸術と科学を融合した作品で世界的に注目を集めるアーティストなど、多様な分野で活躍する女性たちです。

ロレアル-ユネスコ女性科学者日本奨励賞は、日本の女性科学者の地位向上と研究活動支援に大きく貢献する賞として、今後もその役割を果たしていくものと期待されます。

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