ロレンツォ・アッレグリ (画家)

ロレンツォ・アッレグリ（Lorenzo Allegri、生年不詳 - 1527年）は、ルネサンス期のイタリアで活動した画家です。モデナ公国のコッレッジョを拠点に絵画制作を行いました。彼は、パルマ派の画家として著名なアントニオ・アッレグリ・ダ・コレッジョ（一般にコレッジョとして知られる）の叔父にあたります。

生涯

ロレンツォ・アッレグリに関する記録は非常に少なく、その生涯の詳細を知ることは困難です。しかし、彼はコレッジョの叔父であり、甥に初期の芸術教育を施した人物として知られています。1503年には、コッレッジョのサン・フランチェスコ修道院で絵画を制作したという記録が残っています。

また、1498年に制作されたとされる、コッレッジョのギベルト伯爵の宮殿にあったオウィディウスの『変身物語』を題材としたフレスコ画も、伝統的にロレンツォの作品とされてきました。これらのフレスコ画は「ローレンティウス P.」という署名が確認されていますが、18世紀半ばまで存在したものの、19世紀後半には失われてしまいました。

ロレンツォは生涯で二度結婚しており、最初はカタリナ・カルカーニと、その後サン・マルティーノ出身のマリア・プラトと結婚しました。彼には3人の娘と、画家となったクウィリーノという息子がいました。しかし、ロレンツォの二番目の妻と子供たちは、おそらく彼が亡くなる前に亡くなっています。1527年3月、ロレンツォは自身の財産を、甥であるアントニオ・アッレグリの父、つまり兄のペレグリーノに譲っています。彼は1482年に小さな不動産を購入しており、比較的裕福な生活を送っていたと考えられています。

作品と評価

ロレンツォの作品は現在、一つも確認されていません。16世紀の司教リナルド・コルソは、ロレンツォの芸術家としての能力を疑問視するようなユーモラスな発言を書き残しています。コルソは、「ライオンを描きたいと思って山羊を描き、その上にタイトルを書いた」という風刺的な言葉を、以前に他の画家について使われていた表現を引用し、ロレンツォにあてはめています。この発言は、ロレンツォの芸術家としての実力が、必ずしも高くなかった可能性を示唆しています。

結論

ロレンツォ・アッレグリは、ルネサンス期のイタリアにおいて、パルマ派の巨匠であるコレッジョの叔父として、また初期の芸術教育者として重要な役割を果たした人物です。現存する作品は確認されていませんが、その生涯と、甥コレッジョへの影響は、美術史において無視できない要素となっています。

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