ロンドン・アンド・ブライトン鉄道

ロンドン・アンド・ブライトン鉄道の歴史

ロンドン・アンド・ブライトン鉄道（London and Brighton Railway、略称: L&BR）は、1837年に設立されたイギリスの鉄道会社です。この鉄道は、ロンドン・アンド・クロイドン鉄道と連絡し、ノーウッドからイギリス南部のブライトンまでを繋ぐ本線と、ブライトンからショアハム＝バイ＝シーまでの支線を運行しました。

設立の背景

19世紀前半、特に摂政時代からナポレオン戦争後、ブライトンはリゾート地として急速に発展し、毎年多くの観光客が訪れるようになりました。馬車による移動が一般的だった当時、年間10万人以上がブライトンを目指して旅をしていました。1836年には、実業家ウィリアム・ジェームズがロンドンと南部の港を鉄道で結ぶ構想を提案したものの、当初は関心を持たれていませんでした。

その後も何度か鉄道敷設の検討が行われましたが、1825年に試みた計画は実現には至らず、1829年にはジョン・レニーがブライトンへのルートを探る調査を行いました。しかし、これらの提案も支持を得ることができず、再度の試みが1835年に行われました。ここで提案された6つの候補が議論される中、最後に2つの案が競い合う結果となりました。

建設工事

1839年、ロンドン・アンド・クロイドン鉄道はロンドン・ブリッジ駅からウェスト・クロイドン間を開業し、その延伸工事が1841年に完成しました。この工事はジョン・ラストリックによって管理されたもので、5つのトンネルが掘られ、ブライトン駅とショアハム駅を結ぶ支線が1840年に完成しました。本線は1841年にヘイワーズ・ヒース駅まで開業し、その後9月にブライトン駅まで全線が開通しました。

さらに、ルイス駅への支線工事は1837年に決定され、別会社であるブライトン・ルイス・アンド・ヘイスティングス鉄道によって1844年から建設が進められました。

駅舎・車庫の建設

駅舎設計には著名な建築家デイヴィッド・モカッタが起用され、ロンドン・ブリッジ駅からブライトン駅までの合計9つの駅が設計されました。ブライトン駅とホーリー駅には、1840年と1841年にそれぞれ車庫が設置されました。

統合

1846年には、ロンドン・アンド・クロイドン鉄道とその他一部の鉄道会社が合併し、新しくロンドン・ブライトン・アンド・サウス・コースト鉄道が誕生しました。この統合により、鉄道の運営効率が向上しただけでなく、さらなる路線の発展が期待されました。

ロンドン・アンド・ブライトン鉄道は、今日のイギリス鉄道網の基盤を形成する重要な役割を果たしました。ブライトンとロンドンを繋ぐこの鉄道は、観光客や住民のための重要な交通手段として、イギリスの鉄道史に名を刻むこととなります。

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