ロンドン消防隊

ロンドン消防隊：世界有数の消防組織とその活動

ロンドン消防隊（London Fire Brigade、LFB）は、イギリスの首都ロンドンにおける消防業務を担う法定機関です。1865年の帝都消防隊法に基づき設立され、ロンドン消防局、ロンドン消防庁、ロンドン消防本部などとも呼ばれています。

その規模は世界的に見ても非常に大きく、英国国内ではスコットランド消防本部についで2番目、世界では東京消防庁、ニューヨーク市消防局、パリ市消防局、スコットランド消防本部に次ぐ5番目の規模を誇ります。2023年現在、102の消防署に5,992人の職員（消防士や消防吏員など）が所属しています。

ロンドン消防隊のトップは、ロンドン消防・緊急事態計画局のコミッショナーが務め、同局がロンドン消防隊の運営について法的な責任を負っています。

多忙を極める現場

ロンドン消防隊は、年間非常に多くの通報に対応しています。2013/14年度には17万件以上の999番通報（緊急通報）があり、そのうち2万件以上が火災に関するものでした。特に重大な火災は1万件を超え、いたずら電話も3,000件以上と、世界でも有数の多忙な消防組織と言えるでしょう。2015/16年度には、緊急通報の件数はさらに増加し、火災に加え、消火活動以外の特別業務や誤報も多く含まれていました。

活動内容の幅広さ

ロンドン消防隊の活動は消火活動だけにとどまりません。道路交通事故や洪水への対応、エレベーター閉じ込め救助、危険物処理など、多様なインシデントに対応しています。さらに、緊急事態計画の策定、火災安全の点検、防災教育活動なども重要な役割として担っています。

消防士は応急処置の訓練を受けており、全ての消防車には応急処置用具が備え付けられています。しかし、ロンドン消防隊は救急サービスは提供していません。これは、独立したNHSトラストであるロンドン救急サービス（LAS）がその役割を担っているためです。

それでも、ロンドン消防隊はファーストレスポンダー（最初の対応者）として、LASと連携して活動しています。2016年には、新たなイニシアチブの下、LASの緊急救急車両と共に、生命に危険が及ぶ緊急事態（心停止や呼吸停止）に対応するなど、救急サービスの負担軽減にも貢献しています。

まとめ

ロンドン消防隊は、その規模と活動内容から、世界でも屈指の消防組織と言えるでしょう。年間多くの通報に対応するだけでなく、多様な災害や事故に対応し、防災教育にも力を入れることで、ロンドンの安全と安心に貢献しています。今後も、その役割はますます重要性を増していくことでしょう。

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