ロン・マクガヴニー

ロン・マクガヴニー：メタリカ初期を支えたベーシストの軌跡

ロン・マクガヴニー（Ronald McGovney, 1963年11月2日 - ）は、アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス出身のミュージシャン。メタリカの初期ベーシストとして知られています。現在は音楽活動から引退しています。

メタリカ加入前

1981年6月、ロンは幼馴染であるジェイムズ・ヘットフィールドと、彼のバンド仲間であるヒュー・ターナーと共に、ヘヴィメタルバンドLeather Charmを結成します。ターナー脱退後、トロイ・ジェイムズ（ギター）、ジム・マリガン（ドラム）が加入しますが、マリガンの加入がきっかけとなり、バンドは解散してしまいます。

メタリカ結成と脱退

1981年末、ジェイムズ・ヘットフィールド、ラーズ・ウルリッヒ、そしてロン、デイヴ・ムステインというラインナップでメタリカが結成されます。ロンは、ラーズやジェイムズとは旧知の仲であり、ジェイムズとは共同生活を送っていました。モトリー・クルーの大ファンであり、ロックスターのフォトグラファーを趣味とするなど、ヘヴィメタルへの関心も高く、ガレージを練習場として提供していました。

しかし、ラーズやジェイムズとの関係は対等とは言い難く、ツアーに出るようになると、ロンはからかいの対象となり、飲食代を支払わされるなど、不遇な扱いを受けるようになります。また、デイヴ・ムステインとはそりが合わず、互いに嫌悪感を抱いていました。ムステインは、ロンのことを「親の金で贅沢な暮らしをしているマザコン」と見下し、ロンはムステインを「何をしでかすかわからない危険な人間」だと感じていたようです。

ロンとムステインの間には、数々の確執がありました。メガデス・ドキュメンタリー狂気の旋律では、ロンが「ムステインが酔って自分のベースにビールを注ぎ、感電させた」と語る一方、ムステインは「ロンが自分のベースのピックアップにビールを注いで壊した」と主張しており、真相は定かではありません。

音楽的な才能や個性においても、他のメンバーに比べてロンの存在感は薄れていき、次第にバンド内での役割が「財布」やローディーのようになっていると感じるようになります。そして1982年12月12日、ロンはメタリカを脱退します。

脱退後

ロンの後任としてクリフ・バートンが加入し、メタリカは世界的な成功を収めます。ロンはメタリカ時代に「Hit the Lights」などのデモ音源に参加しています。1986年から1988年まではファンタズムというバンドで活動していました。

メタリカ脱退後、ロンは長い間バンドとの交流がありませんでしたが、2011年12月10日、メタリカ結成30周年記念ライブにゲスト出演し、23年ぶりにバンドと共演。「Hit the Lights」と「Seek & Destroy」の2曲を演奏しました。このライブには、デイヴ・ムステインやロイド・グラントも参加しています。さらに2013年12月5日には、メガデスの公演にゲスト出演し、シン・リジィの「Cold Sweat」のカバーでリードボーカルを務めました。

私生活

ロンはスコットランドの家系であり、現在は2人の息子と娘と共にノースカロライナ州に在住しています。

関連人物

メタリカ
デイヴ・ムステイン
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