ローザンヌ国際バレエコンクール

ローザンヌ国際バレエコンクール

ローザンヌ国際バレエコンクール（Prix de Lausanne）は、スイスのローザンヌで毎年開催される、15歳から18歳までのバレエダンサーを対象とした世界的に有名なコンクールです。若手ダンサーの育成とキャリア形成支援を目的とし、1973年より舞踊振興財団によって運営されています。

コンクールの特徴

ローザンヌ国際バレエコンクールは、単なる技術の優劣を競う場ではなく、若手ダンサーの将来を見据えたキャリア支援に重点を置いている点が特徴です。そのため、以下のような点が他のコンクールとは異なります。

プロとしての活動実績がない者のみ参加可能: すでにプロとして活躍しているダンサーや、入団が内定しているダンサーは参加できません。
レッスン審査の重視: 結果だけでなく、クラスレッスンにおける姿勢や能力も審査対象となります。クラス審査は、準決選までの評価点の半分を占めるほど重要な要素です。
キャリアに繋がる賞: ローザンヌ賞受賞者には、提携する世界の著名なバレエ学校への留学またはバレエ団での研修の機会が無償で提供されます。生活支援金も支給され、経済的な負担を軽減しながらキャリアアップを目指せます。
参加者へのサポート: 参加者全員に著名ダンサーによる個別指導が行われ、入賞を逃した参加者にも留学相談の機会が設けられています。

選考方法

コンクールは通常1月下旬から2月上旬にかけて約1週間の日程で行われます。選考は以下の3段階に分かれています。

1. DVD審査: 事前に提出されたDVDによる審査。
2. 現地審査: DVD審査を通過した参加者が、ローザンヌでレッスン審査やヴァリエーション審査を受けます。
3. 決選: 現地審査を通過した約20名が決選に進み、最終的な審査を受けます。最終的に6〜8名がローザンヌ賞を受賞します。

賞の種類

ローザンヌ国際バレエコンクールには、以下のような賞があります。

ローザンヌ賞: スカラシップ賞とプロ研修賞の2種類があり、受賞者はそれぞれバレエ学校への留学またはバレエ団での研修の機会を得られます。
コンテンポラリー賞: コンテンポラリー・ヴァリエーションにおいて、特に優れた解釈と表現力を見せた決選進出者に贈られます。
ベスト・スイス賞: スイス国籍保持者またはスイス在住のバレエ教育を受けた参加者に贈られます。
観客賞: 観客の投票によって選ばれます。

過去には最優秀特別賞、キャッシュプライズ、プロフェッショナル賞、エスポワール賞、振付賞・振付奨励賞などがありましたが、現在は廃止されています。

日本との関わり

日本からは多くのダンサーがローザンヌ国際バレエコンクールに参加し、輝かしい成績を収めています。吉田都、熊川哲也、上野水香、中村祥子など、70名以上の日本人ダンサーがこれまでに受賞しています。1989年には東京で決選が開催され、2022年には33年ぶりに日本予選が開催されました。

ローザンヌ国際バレエコンクールは、若手バレエダンサーにとって夢を叶えるための重要なステップです。このコンクールでの経験は、参加者たちのその後のキャリアに大きな影響を与え、世界的な舞台で活躍するダンサーを数多く輩出しています。

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