ローザ・スミス＝アイゲンマン

ローザ・スミス＝アイゲンマン：知られざる女性魚類学者の生涯

ローザ・スミス＝アイゲンマン（Rosa Smith Eigenmann, 1858年10月8日 – 1947年1月12日）は、アメリカ合衆国の女性魚類学者であり、夫であるカール・アイゲンマンと共に、北米および南米の魚類研究に多大な貢献をしました。

生い立ちと初期の研究

ローザはイリノイ州モンマスで、9人兄弟の末っ子として生まれました。一家は元々カリフォルニア出身で、イリノイで新聞発行事業を始めましたが、ローザが病弱だったため、カリフォルニア州サンディエゴに戻りました。サンディエゴの自然の中で育ったローザは、自然史協会に参加し、自然科学への関心を深めていきました。

転機となったのは1879年、著名な魚類学者デイビッド・スター・ジョーダンがサンディエゴを訪れた際のことです。ローザがポイント・ロマ岬の洞窟に生息する盲目のハゼ、Othonops eos を発見したことを知ったジョーダンは、彼女の才能に感銘を受け、インディアナ大学で自身の指導のもと研究することを勧めました。

インディアナ大学で2年間学んだ後、家族の病気のためにサンディエゴに戻りますが、大学で後の夫となるカール・アイゲンマンと出会い、サンディエゴに戻ってからも共同研究を続けました。

結婚、共同研究、そして家庭

カール・アイゲンマンは大学卒業後カリフォルニアを訪れ、1887年8月20日にローザと結婚しました。結婚後の2年間は、ハーバード大学で南米魚類の標本を共同で研究しました。ローザはハーバード大学の大学院レベルの授業に参加を許された最初の女性の一人となり、ハーバードで夫と共同執筆した最初の論文を発表しました。

サンディエゴでの研究後、夫はインディアナ大学の教授となり、2人は共同研究を続けましたが、ローザは障害を持つ娘を含む5人の子供たちの世話に時間を費やすようになり、徐々に研究から遠ざかっていきました。

1927年に夫が心臓病を患い、一家はサンディエゴに戻りますが、その年にカールは亡くなりました。ローザはサンディエゴに留まり、再び科学的な活動に戻ることはありませんでした。

業績と評価

ローザ・スミス＝アイゲンマンは、夫であるカール・アイゲンマンと共に、数多くの魚類に関する論文を発表し、魚類学の発展に貢献しました。彼女の初期の研究は、カリフォルニアの魚類相の解明に大きく貢献し、また、南米の魚類に関する研究は、その後の研究の基礎となりました。しかし、家庭生活との両立が難しく、研究者としてのキャリアを十分に追求できなかったことは、残念な点と言えるでしょう。

彼女の業績は、近年再評価されつつあり、女性科学者の先駆者として、その名が記憶されるべき存在です。

Early Women Ichthyologists

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