ロードフォンス

ロードフォンスは、2020年4月27日にこの世に生を受けた日本の競走馬です。その個性的な馬名は、冠名にラテン語で「泉」を意味する「フォンス」を組み合わせることで名付けられました。主にダート競走を主戦場としており、2025年にはかきつばた記念を制覇し、輝かしい重賞タイトルを獲得しています。

キャリアのスタートは、2歳となった2022年の秋。9月10日に行われた中京競馬場の芝1400メートル新馬戦でデビューを飾りましたが、初陣は8着という結果に終わりました。しかし、本馬の秘められた能力は芝ではなくダートにあると陣営は判断し、次走から舞台を砂上に移します。ダート転向後初めてのレースとなった未勝利戦では、事前の評価は8番人気と決して高くありませんでしたが、見違えるような力強い走りを見せ、見事にキャリア初勝利を掴み取りました。この初勝利を皮切りに、ロードフォンスは条件クラスを順調に勝ち上がりながら、競走馬としての経験を積み、着実にその実力を高めていきました。

大きな飛躍を遂げたのは、4歳を迎えた2024年のシーズン終盤でした。特に秋から冬にかけての活躍は目覚ましく、11月17日には3勝クラスのテレビ静岡賞に出走。ここでの勝利をもって、ついにオープンクラスへの昇級を果たしました。勢いはそのままに、昇級後の初戦として選ばれたオープン特別の霜月ステークスに出走。このレースでは、ラストスパートで驚異的な加速を見せ、出走馬中最も速い上がりタイムを記録。先行するライバルたちを鮮やかに差し切り、オープンクラスでの初勝利を挙げました。この連勝は、ロードフォンスがトップレベルのダート馬へと成長したことを強く印象づけるものでした。

5歳となった2025年、ロードフォンスはさらなる高み、すなわち重賞競走へと挑戦を開始します。シーズンの始動戦として選ばれたのは、2月2日に東京競馬場で行われたダート重賞、根岸ステークスでした。これが本馬にとって初めての重賞挑戦となりましたが、強豪が集う中でも臆することなく、中団グループから粘り強く末脚を伸ばし、勝ち馬コスタノヴァには4馬身差をつけられたものの、堂々の2着に入線。初の重賞挑戦でいきなり連対を果たし、その能力が通用することを証明しました。そして、続く次走として選ばれたのは、5月5日に地方競馬の名古屋競馬場で行われたかきつばた記念でした。このレースは、これまでの主な出走距離とは異なる1500メートルという距離であり、またロードフォンスにとっては初めてとなる右回りコースでのレースでした。しかし、レース本番では直線でサンライズホークとの壮絶な叩き合いを演じ、ゴール前でクビ差だけ相手を凌いで先頭でゴール板を駆け抜けました。この劇的な勝利により、ロードフォンスは念願であったキャリア初の重賞タイトル獲得という快挙を成し遂げたのです。

血統背景に目を向けると、近親には1994年の愛2000ギニーなどを制した実績を持つ名馬Turtle Islandの名前があります。ロードフォンスは、デビュー当初の芝からダートへと路線を変更し、着実にステップアップを重ねてオープン、そして重賞ウィナーの仲間入りを果たしました。その勝負根性と末脚は、今後のダート競走界においても注目される存在となるでしょう。競走成績は2025年5月5日現在のものが基になっています。

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