ロード・エルメロイII世の事件簿

ロード・エルメロイII世の事件簿

『ロード・エルメロイII世の事件簿』（原作：三田誠、イラスト：坂本みねぢ）は、TYPE-MOONの人気ゲーム『Fate/stay night|Fate_stay_night』シリーズのスピンアウト作品です。この小説は、TYPE-MOONのオリジナルレーベル「TYPE-MOON BOOKS」から全10巻が刊行され、2019年からは角川文庫より文庫版も発刊されるなど、多くの読者に愛されています。また、2017年にはコミカライズが『ヤングエース』で連載され、テレビアニメ化や舞台化もされるなど様々なメディアで展開されています。2020年12月時点で、このシリーズの累計発行部数は180万部をいっときも超え、その人気の高さを証明しています。

作風と背景

本作は、虚淵玄によるスピンオフ小説『Fate/Zero|Fate_Zero』に登場したウェイバー・ベルベットを主人公に据え、ミステリーの要素を取り入れた作品です。ウェイバーは聖杯戦争の参加者として未知の体験をし、その後成長を遂げてエルメロイ派の当主となり、魔術教室を開くことになります。そして、彼が遭遇する数々の事件を解決していく過程が描かれています。

著者の三田誠にとって、この作品はTYPE-MOONへの初参戦であり、彼は自らの希望をファンの原作者・奈須きのこに伝えた後に、本作の執筆へと至りました。また、物語の核には魔術というテーマが遍く息づいており、特にウェイバーの能力を最大限に活かしたミステリー要素が色濃く染み込んでいます。

あらすじ

物語の舞台は、冬木市で行われた第四次聖杯戦争から10年後のイギリスです。主人公のウェイバー・ベルベットは、サーヴァントとしてライダー・イスカンダルと共に聖杯戦争を戦った過去を持つ成長した魔術師に成長しています。彼はエルメロイ派の仮の当主となり、数々の懸念や厄介事を抱える日常を送る中、義妹のライネスから持ち込まれる「魔術絡みの厄介な相談」に取り組むこととなります。

ウェイバーは、知識と分析力を駆使し、内弟子のグレイや教室の弟子たちの助けを受けながら、次々と発生する不可思議な事件の謎を解決してゆく姿が描かれています。彼の周りには、数々の歴史的キャラクターたちも登場し、物語に深みを与えています。特に、かつての同士である英霊イスカンダルと関係する計画が背後に潜んでいることが物語をさらに刺激的にしています。

登場人物

• - ロード・エルメロイII世（ウェイバー・ベルベット）：本作の主人公であり、魔術協会時計塔の現代魔術科学部の部長。性格は神経質である一方、優れた魔術師として知識と分析に長けている。彼の魔術に対する淡い憧れや責任感が物語全体に影響を与えています。
• - グレイ：エルメロイII世の内弟子で、彼をしっかりと支える存在。戦闘技術が非常に高く、大きな役割を果たします。
• - ライネス・エルメロイ・アーチゾルテ：ウェイバーの義妹であり、エルメロイ派の次期当主。ウェイバーは彼女に協力する契約を結び、複雑な関係を保ちながら共に成長しています。

本文の中には、その他にも多くの個性的なキャラクターが登場し、彼らの関係性や成長が物語を進行させていきます。魔術の真実を探求し、新たな展開が待ち受ける『ロード・エルメロイII世の事件簿』は、読者にとって興味深いテーマを提供する魅力的な作品と言えるでしょう。

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