ロード・オブ・パーラメント

ロード・オブ・パーラメント（スコットランド貴族）

ロード・オブ・パーラメント（Lord of Parliament）は、1707年の合同法以前にスコットランド議会に議席を有していた貴族の爵位です。スコットランド貴族の爵位としては最下位に位置づけられ、子爵の下に相当します。この爵位は、スコットランド独自の貴族制度の名残を色濃く残しています。

スコットランド貴族の特徴

イングランド、グレートブリテン、連合王国の貴族制度とは異なり、スコットランド貴族の最下位爵位は男爵（baron）ではありません。スコットランドにおける「baron」は、封建的な家臣を指す言葉として用いられ、ヨーロッパ大陸のいくつかの国と同様に、貴族ではない小領主を意味します。イングランドの男爵に相当するスコットランドの爵位が、このロード・オブ・パーラメントなのです。

敬称について

ロード・オブ・パーラメントの敬称は、男性の受爵者には「ロード（卿）」が用いられますが、女性の受爵者には「レディ（女卿）」が用いられます。例えば、「第21代ソルトーン女卿フローラ・フレイザー」のように呼ばれます。また、ロード・オブ・パーラメントの妻も「レディ」の敬称で呼ばれます。法定推定相続人を除く、ロードの子供や女性のロードの受爵者は「オナラブル」の敬称が用いられ、法定推定相続人は「[爵位]のマスター」、女性の場合は「[爵位]のミストレス」となります。

歴史

ロード・オブ・パーラメントの創設は、スコットランドとイングランドが合併し、グレートブリテン王国が成立した1707年に終止符が打たれました。1707年から1963年までは、ロード・オブ・パーラメントは貴族代表議員によって貴族院議員に選出されていました。1963年から1999年までは、全員が貴族院議員でしたが、1999年の貴族院法により、世襲貴族が貴族院の議席を得る権利は失われ、選挙によって選出されることになりました。

1999年には、レイ卿とソルトーン女卿の2人のロード・オブ・パーラメントが貴族院議員に選出されました。2013年にレイ卿が死去し、ソルトーン女卿が唯一の貴族院議員となりましたが、2014年12月に辞任しています。

現在、ロード・オブ・パーラメントの新たな創設は行われていませんが、1998年のスコットランド法では、貴族であるだけでなく、貴族の一員として不適格ではないと判断される者に対して爵位を創設することが可能とされています。

その他の用法

「ロード（レディ）・オブ・パーラメント」という言葉は、貴族院議員を指す場合にも用いられます。貴族院の公式文書にもその用例が見られます。

現存するロード・オブ・パーラメント（一部）

フォーブス卿 (1442年)
グレイ卿 (1444年)
ソルトーン卿 (1445年)
シンクレア卿 (1449年)
ボースウィック卿 (1452年)

関連項目

地主 (スコットランド)
* ロード・オブ・パーラメントの一覧

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