ローヤルさわやか

福井県で長年愛されているご当地炭酸飲料、「ローヤルさわやか」は、北陸ローヤルボトリング協業組合が製造販売し、地元では親しみを込めて「さわやか」とも呼ばれています。数種のフレーバーの中でも、緑色のメロン味は特に代表的で、「さわやかメロン」として広く知られています。

ローヤルさわやかの核となるのは、その甘いメロンの香りと風味、そして特徴的な緑色です。メロン味が選ばれた理由は、当時競合が少なかったことと、色が味を分かりやすく伝える点にあったとされています。原料には、地下120メートルから汲み上げた清らかな井戸水を使用。これに独自の配合で酸味料などが加えられます。炭酸は、お子様でも気軽に飲めるよう、優しく控えめな微炭酸に仕上げられているのが特徴です。製造は日々約7千本行われ、主に出荷されるのは福井県内のスーパーなど。真夏やゴールデンウィークなど需要期にはさらに増産されます。その知名度は福井県内で揺るぎない一方、県外への流通は限定的です（一部隣県での販売説もありますが、主要な販路は福井県内です）。

1978年（昭和53年）に誕生したローヤルさわやかは、すぐに年間120万本を売るヒット商品となりました。発売当初は主に駄菓子屋で瓶入りが販売されていましたが、1980年代半ばからの缶容器の普及や、駄菓子屋の減少・コンビニの増加といった流通の変化により、売上は一時的に低迷し窮地に立たされました。しかし、製造元は様々な企業努力を重ね、この困難を乗り越え事業を立て直しました。2000年（平成12年）には、時代のニーズに合わせてペットボトル入り商品の販売を開始。当初は戸惑いもあったものの、次第に市場に受け入れられ、新たな販路を確立していきました。

「さわやか」という名称は、かつて中部地方を中心とした中小飲料メーカーによる統一商標だった歴史を持ちます。福井県の「さわやか」は、そのブランドが各県に存在していた名残であり、現在まで唯一存続しています。ローヤルさわやかのラベルに描かれた長野県上高地の大正池の風景も、この広域ブランドとしての歴史を偲ばせる要素と言われています。

代表的なメロン味に加え、現在（2024年時点）は多様なフレーバーが提供されています。

オレンジ
グレープ
レモン
ラムネ（さわやかブルー）

などがあり、消費者の選択肢を広げています。

その他、古い三ツ矢サイダーの瓶を再利用した瓶入り商品も販売されており、レトロな魅力を加えています。製造元の北陸ローヤルボトリング協業組合は、地域に根差した企業としてローヤルさわやかを支え続けています。

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