ローラ (雑誌)

『ROLa』（ローラ）は、新潮社が発行していた女性ファッション誌です。2013年8月1日に創刊され、隔月刊で発行されました。発行人は早川清氏、編集長は川上弘永氏でした。編集部には、かつて少女誌『ニコラ』で活躍し、高い編集能力で知られる柴田静也氏も参加しており、その実績と経験から、誌面作りに大きな貢献をしたことは想像に難くありません。

『ROLa』のキャッチコピーは「恋より楽しいことがある」という、当時としては斬新なものでした。これは、恋愛以外の女性の生き方や楽しみ方を提示し、読者層の共感を呼びました。恋愛至上主義に陥りがちな女性誌が多い中、『ROLa』は、友情や仕事、趣味など、多様な女性の生き方を肯定的に捉え、読者にとってより身近で共感できる雑誌を目指していたと考えられます。

創刊号の表紙を飾ったのは、女優の蒼井優氏でした。蒼井優氏の持つ独特の雰囲気と、『ROLa』が目指す女性像は、非常にマッチしており、創刊号の成功に大きく貢献したと言えるでしょう。その後も、多様な分野で活躍する女性を起用することで、読者の関心を集め、雑誌の知名度向上に繋げていきました。

しかし、『ROLa』は2016年9月号（8月1日発売）をもって休刊となりました。休刊の理由は公式には発表されていませんが、雑誌を取り巻く厳しい競争環境や、デジタル化の進展による紙媒体の衰退などが影響したと考えられます。当時、多くの女性誌が市場から撤退したり、統合されたりするなど、業界全体の大変革期に差し掛かっており、『ROLa』もその流れの中にあったと言えるでしょう。

『ROLa』は、短い期間ながらも、独特の視点と編集力で、女性誌市場に新たな価値観を提供しました。恋愛以外の女性の生き方を提示した点、そして、多様な女性像を誌面に反映させた点は、後の女性誌にも影響を与えた可能性があります。休刊は残念ではありますが、『ROLa』が女性誌の歴史に刻んだ功績は、決して小さくないと言えるでしょう。

休刊後、関係者や読者からは、『ROLa』のような視点を持った雑誌の復活を望む声も聞かれます。雑誌市場の動向は常に変化しており、今後、同様のコンセプトの雑誌が登場する可能性も否定できません。もしそうであれば、『ROLa』の精神を受け継いだ新しい女性誌が誕生することを期待したいところです。

このように、『ROLa』は、その短い歴史の中で、多くの読者に影響を与え、女性誌業界に一石を投じました。その功績と、当時の雑誌を取り巻く状況を理解することで、現在の女性誌のあり方についても考えるきっかけになるでしょう。

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