ローランド・Fantomシリーズ

Fantomシリーズの概要

Fantom（ファントム）は、ローランドが展開するシンセサイザーのシリーズです。このシ系列は、優れた音楽制作機材として、多くのミュージシャンや音楽プロデューサーに愛用されています。シンセサイザーとしての革新性が魅力で、特に大きな液晶画面、4つのノブ、および独自のD-Beamコントローラーが特徴的です。Fantom-Xは、シンセサイザーの中で初めてカラー液晶を搭載したモデルとして注目を集めました。

シリーズの進化

Fantomシリーズは、初代Fantomから始まり、その後も続々と進化を遂げてきました。以下に各モデルの概要を紹介します。

1. Fantom

2001年に登場した初代Fantomは、XPシリーズの後継として位置付けられ、QVGA液晶を搭載しました。特に注目すべきはD-Beamコントローラーで、ユーザーはそれを使用して音をリアルタイムでコントロールできます。また、エクスパンション・ボードを介して音色や波形の拡張が可能で、当時の人気アーティストたちによっても使用されました。

• - 鍵盤数: 76鍵
• - 最大同時発音数: 64音
• - エクスパンション・ボードスロット数: SR-JV80用1スロット、SRX用2スロット
• - 波形メモリー容量: 64MB

2. Fantom-S / S88

2003年にリリースされたこのモデルは、Fantomのマイナーチェンジ版ですが、多くの新機能が追加されています。61鍵とウェイテッド88鍵モデルがあり、サンプリング機能や、16個のダイナミック・パッド・バンクが新たに搭載され、より多彩な音楽制作が可能です。

• - 鍵盤数: 61鍵 / 88鍵
• - 最大同時発音数: 64音
• - エクスパンション・ボード数: SRX用4スロット
• - 波形メモリー容量: 64MB

3. Fantom-X6 / X7 / X8

2004年に発売されたFantom-Xは、カラー液晶を搭載し、ラインナップも拡充しました。最大同時発音数は128音に増加し、音楽制作に新しい機能をもたらしました。さらに、デジタルオーディオワークステーションとしての機能も強化されています。

• - 鍵盤数: 61鍵 / 76鍵 / 88鍵
• - 最大同時発音数: 128音
• - 波形メモリー容量: 128MB

4. Fantom-G6 / G7 / G8

2008年に発売されたこのモデルでは、音楽制作の生産性がさらに向上しました。新しいエクスパンション・ボードやUSBマウスとの互換性が特徴で、ライブ演奏にも対応しています。また、音色を柔軟に作成するための機能も充実しています。

• - 鍵盤数: 61鍵 / 76鍵 / 88鍵
• - 最大同時発音数: 128音
• - 波形メモリー容量: 256MB

5. FANTOMシリーズ

2019年に新たに登場したFANTOMは、PCM音源とアナログ音源を融合し、最先端の技術が盛り込まれています。最大同時発音数は256音に達し、アナログフィルターや多彩な音源に対応しています。

• - 鍵盤数: 61鍵 / 76鍵 / 88鍵
• - 最大同時発音数: 256音

D-Beamコントローラーの革新

Fantomシリーズに特に特徴的な機能は、D-Beamコントローラーです。このコントローラーは赤外線を用いて、演奏者の動きを感知し、パラメータを制御できます。これにより、ソロシンセの演奏や、コントロールチェンジの設定が直感的に行えるため、革新的な演奏体験が実現します。

Fantomシリーズは、より多様な創造性を可能にするシンセサイザーとして、音楽制作やパフォーマンスの現場で重宝されています。アーティストたちにとって、Fantomは欠かせない存在となっています。

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