ローランド・JDシリーズ

JDシリーズ概要

JDシリーズは、音楽制作における革新を追求するローランドが手がけるデジタルシンセサイザーのラインナップです。このシリーズは、最初に1980年代に登場し、その後一時終了の時期を経て、2015年にはJD-XAとJD-Xiが新たに加わり、再び注目を浴びています。これらの機器は、長い間待望されていたアナログ回路を搭載し、デジタル音源のSuperNATURAL技術によって充実したサウンドを実現しました。

シリーズの特徴

JDシリーズの最大の魅力は、音作りの自由度と多彩な音色です。JD-800とJD-990のような初期モデルは、PCM音源を用いて音質の豊かさを追求しながら、アナログシンセサイザーの特性を存分に活かしました。特に、140種以上の波形と強力なエフェクトが搭載され、演奏者が自由自在に音を操ることができる環境を提供しています。

シリーズモデル一覧

• - JD-800：1991年にリリースされたこのモデルは、61鍵のベロシティおよびアフタータッチ対応の鍵盤を持ち、多数のノブやスライダーが特徴です。音作りはアナログシンセと類似の感覚で行え、108種類の波形を内蔵し、さらにPCMカードを使って拡張可能です。このシンセサイザーは、小室哲哉をはじめとする有名アーティストに重宝されました。
• - JD-990：1993年に発売されたJD-990は、JD-800の音源モジュール版です。大きなドットマトリクスディスプレイの採用により、音作りが一層簡単になりました。ウェーブROMが6MBに増量され、音色のバリエーションが豊かになっています。また、追加される機能により、アナログ合成の良さを享受することができます。

JD-XAとJD-Xi

2015年のJD-XAとJD-Xiは、デジタルとアナログのクロスオーバーを実現したモデルとして登場しました。JD-XAは64音ポリフォニックのデジタルシンセサイザーとモノフォニックアナログ音源を持ち、オリジナルのアナログフィルターを搭載。これにより、独特な音色の生成が可能です。

一方JD-Xiは、128音ポリフォニックのデジタル音源にモノフォニックアナログ音源、ドラム音源を組み合わせたコンパクトなマルチティンバーキーボードです。手軽に音楽制作を行えることに特化し、ループを用いた簡単な自動演奏が特徴です。

まとめ

JDシリーズは、ローランドの理念である「デジタル技術でアナログシンセの良さを引き出す」というコンセプトのもと、従来のデジタルシンセサイザーとは一線を画した作品群を生み出してきました。アナログとデジタルを融合させた新たな音楽体験を提供し、これからの音楽制作シーンにますます貢献することでしょう。

もう一度検索