ローリング30

アルバム『ローリング30』について

『ローリング30』は、1978年11月21日に吉田拓郎が発表した9枚目のスタジオアルバムで、彼が32歳のときに制作されたものである。このアルバムは1970年代の最後のスタジオ作として位置づけられており、拓郎の音楽の以後の展開を暗示している。

背景

本アルバムからのシングルカットは特に行われなかったが、「外は白い雪の夜」のライブバージョンが「春を待つ手紙」のB面として収録された。翌1979年、拓郎は篠島コンサートを含むツアー活動に専念し、この間オリジナルのアルバムは発表されなかった。この活動は1975年に行われたつま恋コンサートの際と同様のパターンである。このツアーでは『ローリング30』から多くの楽曲が披露され、ライブアルバムとして『TAKURO TOUR 1979』や『TAKURO TOUR 1979 Vol.2 落陽』もリリースされた。

制作とレコーディング

アルバムに収められた21曲のうち13曲は箱根のロックウェルスタジオで、その他は東京のメディア・スタジオで録音された。レコーディングは1978年8月20日から10月4日まで行われ、ほとんど全ての作詞は松本隆に依頼されている。拓郎と松本は一緒に箱根のホテルにこもり、創作に専念した。このプロセスは二人の完全な合作を試みるものであり、拓郎は「松本隆を強姦した」と表現している。参加したミュージシャンたちには、引き続いて鈴木茂やジェイク・H・コンセプションが名を連ねており、そのサウンドは力強いギターやブラスセクションに特色づけられ、80年代の音楽シーンへとつながっていく。

アルバムアートワーク

アルバムのジャケットには、海に入る拓郎の姿が写されているが、実のところ彼は泳げないことを公言している。このことは「海へ帰る」の歌詞にも反映されており、拓郎の作品には、時としてこうしたユーモアと自己認識が見受けられる。

リリース情報

『ローリング30』は、リリース当初LP2枚とEP1枚から成る大作として登場し、後にCD形式でも2枚組として販売された。初回版にはポスターが特典として付いていた。

収録曲

全曲の作詞は松本隆が手がけ、以下のトラックが含まれている：

• - Side-A

- ローリング30
- 爪
- まるで大理石のように
- 英雄（前年に亡くなったエルヴィス・プレスリーをテーマに）
- 君が欲しいよ

• - Side-B

- ハートブレイク・マンション（モノローグを含む珍しい曲）
- 裏街のマリア
- 恋唄
- 外は白い雪の夜

• - Side-C

- 狼のブルース
- 旅立てジャック
- 白夜
- わけわからず（作詞：吉田拓郎）
- 冷たい雨が降っている

• - Side-D

- 虹の魚
- 言葉
- Baby
- 無題
- 海へ帰る（作詞：吉田拓郎）

このように『ローリング30』は、吉田拓郎の音楽的成長を示し、彼のキャリアの重要な一ページを刻み込む作品である。

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