ロールス・ロイス ファルコン

ファルコン（Falcon）エンジンの概要

ファルコンは、イギリスの名門航空エンジンメーカー、ロールス・ロイスによって開発された航空機用のレシプロエンジンです。このエンジンは、特に第一次世界大戦中において、イギリス空軍の戦闘機に搭載され、戦闘機の性能を向上させる要因となりました。その中でも、ファルコンI、II、IIIという三つの主要な型式が存在し、それぞれに独自の特徴と技術的な革新が施されています。

ファルコンI

ファルコンIは、イーグルエンジンを小型化したV型12気筒エンジンとして計画されました。この設計には、エンジンの創始者であるフレデリック・ヘンリー・ロイスではなく、A・B・ハーヴェイ・ベイリーが携わっています。ファルコンIの内径は約101.6mm、行程は約146mmで、排気量は14,200ccに達します。当初の出力は190馬力と計画されていましたが、最終的には230馬力に引き上げられました。1916年に完成したこのエンジンは、ブリストル12 F2Aやブリストル14 F2B戦闘機に搭載され、第一線で大いに活躍しました。生産台数は250台に上りました。

ファルコンII

続くファルコンIIは、1917年に改良が施され、出力を253馬力に向上させました。この改良により、ファルコンIIは戦闘機においてさらに重要な役割を果たすこととなり、同様に250台が生産されました。

ファルコンIII

ファルコンIIIは、1917年内にさらに285馬力へと改良されました。この型式は、イーグルVIIIと並んで第一次世界大戦末期のイギリス空軍の主力エンジンとして君臨しました。ファルコンIIIの生産台数は1,685台に達し、その性能と多様性から数多くの航空機に搭載され、戦闘での優位性をもたらしました。

結論

ファルコンエンジンシリーズは、当時の航空技術の粋を集めたものであり、ロールス・ロイスの技術力を示す一例となっています。これらのエンジンは、イギリスの航空戦力の基盤を支える重要な要素であり、その歴史的な役割は、航空機の発展にも大きな影響を与えました。ファルコンは、単なるエンジンを超えて、航空機の性能を劇的に向上させるための重要な技術革新の象徴でもあります。

参考文献

• - 『ワールド・カー・ガイド27ロールス・ロイス&ベントレー』ネコ・パブリッシング ISBN 4-87366-166-8

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