ロールス・ロイス RR300

ロールス・ロイス RR300 エンジン

ロールス・ロイスが開発したRR300は、軽量ヘリコプター市場をターゲットにしたタービンエンジンです。このエンジンは、離陸時に300shp（224 kW）の出力を発揮し、アリソン 250-C20エンジンの商標を変更したモデルとも言える存在です。

設計と開発

RR300は、その成り立ちにおいてアリソン250シリーズの高い技術の継承者といえます。特に、250-C18型は1965年に認証を受けた当時、RR300と同等の出力を持っていました。しかし、その後の40年間で技術革新が進み、出力の向上と効率化が図られました。たとえば、250-C40型は総圧縮比が9.2:1、空気流量が6.1 lb/sで出力は715 shpという高性能を誇ります。

RR300はこの250シリーズの技術を基本にしつつ、さらなる効率性を追求したエンジンです。特に、遠心式圧縮機の小型化によって軽量化を実現し、使用される燃焼室とタービンは250-C20型に類似しています。これにより、C20の複合式6段軸流/単段遠心式圧縮機を搭載し、信頼性とパフォーマンスを両立しています。

1987年にアリソンモデル225が登場してから20年の間に、RR300は低出力仕様として開発され、出力は350 shpに設定されています。この新仕様は、業界初の5席仕様であるロビンソンR66軽量ヘリコプターに搭載され、ロビンソン社はそれまでの標準型250-C20に代わってRR300を採用しました。

さらに、ロールス・ロイスはエンストロム、MDヘリコプターズ、ローターウェイ、シュワイザーといった企業と、将来的なRR300の搭載についての合意書を締結しています。2013年3月には、スコッツベルト47GT-6の動力源としても指定され、47G-3B-2Aの設計を基に現在も生産されています。

また、RR300の型式認証は、量産を前に2008年の2月にFAAから取得しており、安全性と性能の両面でクリアな基準を満たしています。

搭載機

このRR300エンジンは、さまざまなヘリコプター機体に搭載されています。具体的には、以下のモデルがあります：

• - ロビンソン R66
• - ベル 47
• - ローターウェイ 300T イーグル

仕様諸元

一般的特性

• - 形式: 2軸式ターボシャフト
• - 全長: 37.6インチ（96 cm）
• - 直径: 21.5インチ（55 cm）
• - 乾燥重量: 201ポンド（91 kg）

構成要素

• - 圧縮機: 単段遠心式
• - タービン: 2段式GP、2段式出力タービン

性能

• - 出力: 240〜300軸馬力（180〜220 kW）
• - 全圧縮比: 6.2
• - 出力重量比: 0.67ポンド毎馬力（0.41 kg/kW）

このように、RR300は軽量ヘリコプター市場において、パフォーマンスと効率を兼ね備えた非常に重要なエンジンの一つです。

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