ロールス・ロイス・シルヴァースパー

シルヴァースパー（Silver Spur）

シルヴァースパーは、1980年から1999年までの約19年間にわたり、イギリスの高級自動車メーカーであるロールス・ロイス・モーター・カーズが製造したモデルです。この車両は、ロールス・ロイスの他の名車、シルヴァースピリットのロングホイールベース版に位置づけられています。

1. 概要

シルヴァースパーは、シルヴァーシャドウIIおよびシルヴァーレイスIIの後継車として1980年秋にパリで開催されたサロン・ド・ロトで初めて登場しました。広々とした後部座席や豪華な装備が特徴で、打ち出しでもっとも贅沢な高級感を提供しています。

2. モデル別解説

2.1 初代シルヴァースパー

初代モデルでは、ホイールベースが100mm延長され、後部座席スペースが増加しています。このモデルもシルヴァースピリットに基づいており、オプションでパーティションウォールを追加可能ですが、その際には重量が40kg増加します。燃料供給は通常ソレックスツインキャブレターですが、日本仕様にはボッシュKジェトロニックインジェクションが採用されています。また、サスペンションシステムとしてハイドロニューマチックのストラットが導入され、ダンパーの性能も向上しました。リムジンモデルはさらにホイールベースが延長され、7人乗りとしても利用可能です。価格は1987年当時、ベースモデルで3250万円、パーティション付きが3400万円、リムジンが7300万円という高額でした。

2.2 第2世代

第2世代では、ホイールベースはさらに100mm伸び、シルヴァースピリットIIに基づいています。初めてロールス・ロイスにアルミニウムホイールが標準装備され、運転者前のインフォメーションパネルには必要なデータが確認できるディスプレイが搭載されました。エアコンも改良され、フェシアに設置された吹き出し口は角度調整が可能になりました。さらに、ボッシュモトロニックデジタルインジェクションが導入され、馬力強化が実現されました。サスペンションの硬さ調整を自動で行うオートマチックライドコントロールシステムも加わり、より快適な走行が可能となりました。

2.3 第3世代

第3世代もまたホイールベースが100mm延長されており、リムジンモデルはツーリングリムジンとして新たに取り扱われています。価格は2530万円となっており、贅沢な後席スペースはその魅力の一つです。

2.4 第4世代

シルヴァースピリットの第4世代車両は「シルヴァードーン」という名前で再登場しましたが、シルヴァースパーはそのままの名称を維持し、マイナーチェンジが行われました。フロントドアのデザインが変更され、バンパーがカラード化されたことにより、外観は一新されました。1997年モデルでは新たに低圧ターボチャージャーが搭載され、この世代で初めてターボ車となりました。これにより、出力は25%向上し、加速は0-100km/hを8.1秒で達成するようになりました。シルヴァースパー・ウィズ・ディビジョンモデルでは、ホイールベースが355mm延長され、さらに豪華な装備が施されています。価格はベースモデルが2400万円、ウィズ・ディビジョンは3200万円でした。

3. 結論

シルヴァースパーは、その贅沢な仕様と卓越した性能により、多くのファンに愛され続けてきました。歴代モデルはそれぞれ異なる特徴を持ちながらも、ロールス・ロイスのブランドとしての価値を守り続けています。

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