ロール・ウィズ・イット (スティーヴ・ウィンウッドの曲)

「ロール・ウィズ・イット」(Roll with It)は、イギリスのロックミュージシャン、スティーヴ・ウィンウッドが1988年に発表した楽曲で、同名のアルバム『ロール・ウィズ・イット』からの最初のシングルとしてリリースされました。この曲は、ウィンウッドにとって2作目の全米1位獲得シングルとなり、彼のキャリアにおける重要な一曲となりました。

作曲はウィンウッド自身とウィル・ジェニングスの共作ですが、発表後には、ジュニア・ウォーカー&ジ・オール・スターズが1966年にヒットさせた楽曲「(I'm a) Road Runner」との類似性が指摘されるようになりました。この指摘を受け、1990年11月には「(I'm a) Road Runner」のパブリッシャーから著作権侵害の訴訟を起こされる事態となりました。

その後、1995年に発売されたCDボックス・セット『The Finer Things』では、問題となった「(I'm a) Road Runner」を作詞・作曲したホーランド＝ドジャー＝ホーランドの3人も「ロール・ウィズ・イット」の共作者としてクレジットされることになりました。このクレジット変更は、訴訟問題との関連を示唆するものと考えられます。

また、「ロール・ウィズ・イット」の12インチ・シングルには、ブルース・フォレストとフランク・ヘラーによるリミックス・ヴァージョンが収録されており、オリジナルとは異なるアプローチで楽曲を楽しむことができます。

反響と評価

「ロール・ウィズ・イット」は、イギリスの全英シングルチャートでは5週にわたってチャートインし、最高53位を記録しました。アメリカでは、『ビルボード』誌のBillboard Hot 100、メインストリーム・ロック・チャート、アダルト・コンテンポラリー・チャートの3部門で1位を獲得するという快挙を達成しました。さらに、ダンス・ミュージック／マキシ・シングル・チャートでは2位、ダンス・ミュージック／クラブ・プレイ・シングル・チャートでは21位、R&B／ヒップホップ・チャートでは30位を記録するなど、幅広い層からの支持を集めました。

この楽曲は、グラミー賞では最優秀レコード賞と最優秀男性ポップ・ボーカル・パフォーマンス賞にノミネートされましたが、残念ながら受賞には至りませんでした。

他メディアでの使用例

「ロール・ウィズ・イット」は、映画のサウンドトラックとしても使用されており、『ナンズ・オン・ザ・ラン-走れ!尼さん-』（1990年公開）や『天国に行けないパパ』（1990年公開）といった作品でその楽曲を聴くことができます。

「ロール・ウィズ・イット」は、スティーヴ・ウィンウッドの代表作として、また、1980年代の音楽シーンを象徴する楽曲として、今もなお多くの人々に愛されています。

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