ローレル賞

ローレル賞の概要

ローレル賞（ローレルしょう）は、日本の鉄道車両を対象とした賞で、1961年2月18日に鉄道友の会によって制定されました。この賞は、主に技術面での優れた車両を評価することを目的としています。

賞の背景と目的

鉄道友の会は、1958年に設立したブルーリボン賞を通して、会員による投票で鉄道車両を選定してきました。しかし、この制度は華やかな特急用車両が選ばれやすい傾向があったため、通勤形車両や近郊形車両を評価する場が必要となりました。そこで、ローレル賞が設立され、特急に限らない多様な車両の中から、技術的に優れた車両を正当に評価することが目指されました。

ローレルという名前は、月桂樹を意味し、その冠は栄誉の象徴として記念プレートに描かれています。初期のローレル賞は、従来のブルーリボン賞と同様に会員投票によって決定されていましたが、技術面の評価が重要視されるよう配慮されてきました。

選考の変遷

1970年代初頭から、特急用車両が「通勤特急」として通勤車両に用いられるようになると、通勤車両の定義が曖昧になってきました。この変更を受けて、第15回ローレル賞からは選定基準が見直され、ブルーリボン賞に選ばれなかった車両も選考対象となると共に、得票数に関わらず選考委員会がその技術的優れた特徴を評価することになりました。

近年では、依然として技術的な先進性に優れた車両が選ばれる傾向があり、特に貨物用車両や中小私鉄の車両が注目されています。また、ローレル賞は1形式に限定されていないため、同一年度に複数の車両が受賞することもあります。 過去には、第46回（2006年）において4形式が同時に選定されたことがあります。

選定プロセス

ローレル賞の選定は、ブルーリボン賞選考委員会によって行われます。選考プロセスは、前年に製造された車両の中から技術的、デザイン的に優れたものを選ぶという流れです。ブルーリボン賞が得票結果を重視するのに対し、ローレル賞はその結果をあまり考慮せず、独立した基準で選定されています。選定された車両には、記念プレートの贈呈が行われ、そのプレートは毎回独特のデザインが施されています。

受賞車両の例

ローレル賞を受賞した車両の中には、初期の通勤形車両に加え、近年では最新技術を取り入れた車両が数多く存在します。受賞車両は技術の進化やデザインの革新を示す貴重な存在となっており、鉄道ファンや一般の人々にとっても注目の的です。

このように、ローレル賞は日本の鉄道技術の伝統と革新を称え、未来の発展を見守る大切な賞となっています。

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