ローレンス・イーグルバーガー

ローレンス・シドニー・イーグルバーガー

ローレンス・シドニー・イーグルバーガー（Lawrence Sidney Eagleburger）は、1930年8月1日にウィスコンシン州ミルウォーキーで誕生したアメリカ合衆国の政治家・外交官です。彼は、ジョージ・H・W・ブッシュ政権下で第62代国務長官を務め、アメリカ史上初の職業外交官としてこの地位に就いた人物として知られています。

生い立ち

イーグルバーガーは、母親はオランダ系アメリカ人の小学校教師、父親はドイツ系アメリカ人の医師という家庭に生まれました。彼の家系は18世紀中頃に七年戦争から逃れるためにミルウォーキーに移民してきたものであり、その名字はシュトゥットガルト近郊のアーデルベルガーに由来しています。彼はウィスコンシン大学スティーブンスポイント校を卒業後、ウィスコンシン大学マディソン校で学び、最終的には1952年に卒業しました。その後、アメリカ陸軍に入隊し、1954年には中尉に昇進しました。

1954年には大学に戻り、政治学専攻の修士課程を修了しました。彼は1957年にアメリカ外交公務員として国務省に入省し、その後、ホンジュラス大使館や国務省本省での勤務を経て、1961年から1965年までユーゴスラビア大使館に配属されました。この重要な経験は、彼のキャリアにおける重要な一歩となりました。

政治キャリア

帰国後、彼はアメリカ国家安全保障会議での欧州上級部長、国務次官特別補佐官を務め、その後リチャード・ニクソン政権の国家安全保障担当大統領補佐官ヘンリー・キッシンジャーの特別補佐官に就任しました。さらに、キッシンジャーに従い、NATO代表部の参事官やいくつかの国務省の行政職を担当しました。

ニクソン大統領の辞任後、彼は一旦公職を離れましたが、1977年にジミー・カーター大統領によって駐ユーゴスラビア大使に任命されました。その後、1982年にはロナルド・レーガン政権でアメリカの政治担当国務次官に就任しました。1989年にはジョージ・H・W・ブッシュが大統領に就任すると、彼の下で国務副長官として活動しました。特にユーゴスラビア問題においては、重要なアドバイザーとしての役割を果たしましたが、その選択はしばしば論争を引き起こし、「セルビアのロレンス」と揶揄されることもありました。

1992年12月8日、バイカーの後任として第62代国務長官に就任し、外交政策におけるその影響力は引き続き大きなものでした。

退任後の活動

国務長官を退いた後のイーグルバーガーは、2006年にホワイトハウスで行われた外交政策会議に参加し、歴代国務長官・国防長官経験者としてその意見を述べました。また、バージニア州のウィリアム・アンド・メアリー大学の外部評議員を務めるなど、外交や教育の分野で活動を続けました。

最期

ローレンス・シドニー・イーグルバーガーは、2011年6月4日にバージニア州シャーロッツビルで亡くなりました。享年80歳でした。彼の外交キャリアは、アメリカの国際関係において重要な時期において多大な影響を与えました。

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