ワルサーP99

ワルサーP99について

ワルサーP99（Walther P99）は、1996年にドイツの銃器メーカー、ワルサー社によって開発された自動拳銃です。この銃は、ワルサー社がこれまでに開発してきたモデルの中で特に注目されたものであり、特にポリマーフレームの採用によって軽量かつ頑丈な構造を実現しています。

特徴

P99は、ワルサー社が初めて採用したポリマーフレーム式であり、他の銃器メーカーが先行して開発した銃を参考にしつつ、独自の改良が施されています。特筆すべきは、グリップのバックストラップが交換式であり、使用者に合わせて形状を三段階で調整できる点です。これにより、より快適な持ち心地が得られます。

撃発方式にはストライカー撃発を採用し、視覚的にも触覚的にも状態を確認できるよう、スライドの後端からストライカーの一部が突き出ています。また、装填確認の際は、弾薬が薬室に装填されるとスライド側面にあるエキストラクターが動き、後端に赤い印が現れます。これにより、目視または直接触ることで状態をチェック可能です。

バリエーションの展開

P99は539のライセンス生産モデル「SW99」や、炭酸ガス式空気銃「CP99」、さらに日本市場向けのエアソフトガンなど、様々なバリエーションが存在します。特に、007シリーズの主人公であるジェームズ・ボンドが使用したことから、特注モデルも製作されています。

しかし、初期に生産されたものについては耐久性に問題があり、当時の銃砲店員からの評判はあまり良くなかったと言われています。ドイツでは警察用の拳銃として認定されていますが、実際に採用されているのは限定的で、民間販売もあまり成功していないとされています。それでも、2006年度の初頭にはノルトライン＝ヴェストファーレン州警察やドイツ税関本部の実行部隊が、P99DAOモデルを制式採用しました。ポーランドにおいては、国産ではなくP99が次期制式拳銃として選ばれることが公式に発表されました。

最近では、ポーランドのラドム社が生産するP99のモデルも登場しており、ポーランド製のものにはスライド部分にFBの刻印があります。

トリガーのバリエーション

P99のトリガー動作には、DAO（ダブルアクションオンリー）タイプに加えて、2つの特別なパターンがあります。1つはAS（アンチストレス）で、初弾発射後は通常のシングル/ダブルアクションに切り替わりますが、初弾装填時には引き金の動き幅がダブルアクションであっても、発射にはシングルアクションとなります。この設計は、緊張時に意図しない発射を防ぐことを目的としています。

もう1つはQA（クイックアクション）であり、常にダブルアクションとシングルアクションの中間の状態に設定されています。これにより、発砲時の感触が軽く、過敏な引き金の反応があります。

まとめ

ワルサーP99は、その革新的な設計と性能から、多くのユーザーに支持されています。多くのバリエーションが存在し、世界中で使用されているだけでなく、映画などのフィクション作品でも見かけることが多い銃器です。今後もさらなる進化が期待されることでしょう。

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