ワルシャワ盾章

ワルシャワ盾章について

ワルシャワ盾章（ドイツ語: Warschauschild）は、ドイツで制定された軍の袖用盾章であり、特に1944年のワルシャワ蜂起に参加した軍人に授与されることを目的としていました。この盾章は、第二次世界大戦中の重要な出来事に関連しており、主にワルシャワ蜂起の鎮圧に従事した軍人や親衛隊員を対象にしていました。

制定の背景

この盾章は1944年12月10日にアドルフ・ヒトラーの決定により制定されました。ワルシャワ蜂起は1944年8月1日から10月2日まで続き、ポーランドのワルシャワでのナチスドイツに対する抵抗運動でした。蜂起は激しい戦闘を引き起こしましたが、最終的には鎮圧され、多くの人命が失われました。その背景を踏まえての盾章の制定は、参加した軍人への名誉の象徴として意義を持っていました。

この盾章の広報としての発表が行われたのは、1945年1月9日のことでした。授与の条件や方法についての詳細は、1945年2月15日に示され、授与式は同年9月1日に実施される予定でした。しかし、その前にドイツが戦争を終結させることとなったため、この盾章が実際に授与されることはありませんでした。授与に関連する勲記も用意されていたものの、記入作業は行われなかったため、正式な受章は一度も行われない結果となりました。

受章条件

ワルシャワ盾章を受章するための条件は、次のように規定されていました。

陸軍及び武装親衛隊

• - 戦闘に7日以上参加すること
• - 戦闘中に勇敢な行為に関与し、勲章（鉄十字章など）を受章していること
• - 戦傷を負っていること
• - 戦闘地域に28日以上留まること

空軍

• - 作戦を10日以上実行すること
• - 戦闘中に勇敢な行為に関与し、勲章を受章していること
• - 戦傷を負っていること
• - 20回以上出撃すること

上記の条件のいずれかを満たすことで、盾章の授与対象となることが期待されていました。

まとめ

ワルシャワ盾章は、ナチス・ドイツにおける軍の名誉を象徴するものであり、ワルシャワ蜂起の参加者に対する感謝と名誉を表すものでした。しかし、実際に授与されることがなかったため、形式的な勲章としての歴史に埋もれることとなり、その存在は様々な解釈を生むこととなりました。戦争の終結によって、この盾章が持つ意味合いは複雑であり、時代を超えた教訓を提供しています。このような勲章の制定と授与の過程は、戦争の激しさやその結果としての人々の苦悩を思い起こさせるものです。

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