ワンダーウーマン (テレビドラマ)

ワンダーウーマン：テレビドラマシリーズの軌跡

DCコミックスが生んだ人気ヒロイン、ワンダーウーマン。その活躍を描いた1970年代のアメリカ製テレビドラマシリーズは、現在でも多くのファンを魅了し続けています。本稿では、その魅力と歴史を詳細に解説します。

誕生からパイロット版まで

1941年、ウィリアム・モールトン・マーストンによって創造されたワンダーウーマンは、当初はアメリカン・コミックスのキャラクターとして登場しました。しかし、他のスーパーヒーローと比べて、映像化は遅れ気味でした。1973年、スーパーマンやバットマンと共に『Super Friends』というアニメシリーズで初登場を果たしますが、本格的な実写ドラマはそれから数年後になります。

1974年、ABCはプロテニスプレーヤーのキャシー・リー・クロスビーを主演に迎え、90分枠のパイロット版を制作しました。現代の設定とデザインを採用しましたが、評判は芳しくありませんでした。

翌1975年、ABCは原作の設定に則り、元ミス・ワールド・アメリカ代表のリンダ・カーターを主演に迎えた新たなパイロット版『The New Original Wonder Woman』を制作。『奇想天外！空飛ぶ鉄腕美女ワンダーウーマン』の題名で日本で放送されました。これが好評を博し、連続ドラマ化へと繋がります。

ABC版とCBS版：時代の変化と物語の展開

1976年から1977年にかけて放送された第1シーズン『Wonder Woman』は、『空飛ぶ鉄腕美女ワンダーウーマン』のタイトルで日本でも放映。第二次世界大戦中のアマゾン島での出会いから、ナチスドイツとの戦いを描いた物語が展開されました。

1977年からの第2シーズンは、放送局がABCからCBSに移行し、『The New Adventures of Wonder Woman』に改題。『紅い旋風ワンダーウーマン』として日本で放送されました。舞台は現代に移り、ワンダーウーマンは情報機関のエージェントとして活躍します。前シーズンのスティーブ・トレバー少佐の息子が登場するなど、物語は続編として展開されますが、ダイアナ自身は不老であるため、年齢は変わりません。

第3シーズンもCBSで放送され、ダイアナのファッションはさらに現代風に、物語はSF的な要素が強まりました。しかし、このシーズンをもってシリーズは終了します。なお、日本での放送では、一部エピソードが未放映となっているケースもあります。

ABC版とCBS版ではコスチュームも大きく異なり、CBS版はより露出度の高いデザインとなっています。また、星条旗をモチーフにしたマントを着用するシーンも多く見られました。

ストーリー：時代を超えた戦い

物語は、第二次世界大戦中、アメリカ陸軍省情報本部のスティーブ・トレバー少佐がアマゾンの島、パラダイス・アイランドに墜落するところから始まります。そこで出会ったアマゾンの王女ダイアナは、スティーブを故国に送り届け、彼と共にナチスと戦います。

第2シーズン以降は、現代を舞台に、ダイアナは情報機関IADCのエージェントとして、スティーブ・トレバーJr.らと共に様々な脅威に立ち向かいます。高度なテクノロジーと、ワンダーウーマンの超人的な能力が融合した、スリリングなアクションが展開されます。

ワンダーウーマンの能力と魅力

ワンダーウーマンは、超人的な怪力、ジャンプ力などを持ちますが、飛行能力はありません。代わりに、透明プレーンを駆使して移動します。パラダイス・アイランドで採掘されるフェミナムから作られたベルトとブレスレットは、彼女のスーパーパワーの源です。ベルトはパワーの源であり、ブレスレットは弾丸を防ぐほどの硬度を誇ります。投げ縄は百発百中で、相手を真実を語らせる力も持ちます。ティアラはブーメランとしても使用可能です。

キャストと主題歌

主演のリンダ・カーターを始め、多くの俳優たちがこのドラマを彩りました。日本版では、吹き替えや主題歌も大きな話題となりました。特に第2・3シーズンのオープニングテーマとして使用された由美かおるの「愛の冒険者」は、当時大きな人気を博しました。

放送、ソフト化、そして現在

『ワンダーウーマン』は、日本でもフジテレビやテレビ朝日などで放送され、長年にわたって愛され続けています。現在ではDVDやデジタル配信でも視聴可能で、新たな世代にもその魅力が伝えられています。

このテレビドラマシリーズは、時代を超えて愛されるヒロイン、ワンダーウーマンの冒険と成長、そして正義と愛の物語を鮮やかに描いた、重要な作品と言えるでしょう。

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