ワンダーエッグ・プライオリティとは
『ワンダーエッグ・プライオリティ』(WONDER EGG PRIORITY)は、日本のアニメ制作スタジオCloverWorksによって制作されたオリジナル
テレビアニメです。略称は「ワンエグ」として知られています。2021年1月から3月までの期間、日本テレビなどで放送され、その後の6月29日には特別編も放送されました。
この作品は、野島伸司が初めてアニメーション制作に参加し、彼が手掛けた原案と脚本に基づいて展開されます。特に注目すべき点は、D.N.ドリームパートナーズと
アニプレックスが初めてタッグを組んで共同制作した作品であることです。
あらすじ
物語は、中学生の大戸アイが不登校生活を送る中、ある夜、深夜の散歩中に導かれてエッグと呼ばれる卵を入手することから始まります。エッグを割ると、そこから現れた少女と共に、アイは異世界へと引き込まれます。アイはエッグの世界で、親友の長瀬小糸を生き返らせるため、「ワンダーキラー」と呼ばれる敵と戦うことを決意します。
アイは、青沼ねいる、川井リカ、沢木桃恵といった他の少女たちと出会い、彼女たちと共に願いを叶えるためにエッグを割り、ワンダーキラーに挑む仲間となります。彼女たちが抱える過去や悩みを抱えた中で進む物語は、やがて各キャラクターの成長と葛藤を描き出していきます。
登場人物
大戸アイ
本作の主人公であり、オッドアイの14歳の少女。内向的な性格ながらも明るく感情豊かであり、親友の小糸を生き返らせるために戦う。エッグの世界での彼女の武器は、4色ボールペンを模したメイスや他の少女たちの持ち物が変形したものです。
青沼ねいる
14歳の少女であり、合理的な思考を持つ。エッグを利用して妹を生き返らせようと考えており、アイとその仲間たちとともに戦う。
川井リカ
元ジュニアアイドルで、自傷癖を抱えている。グループの中でお喋りで明るい性格として描かれており、過去のトラウマと向き合いながらエッグの世界で戦う。
沢木桃恵
身長が高く、ボーイッシュな外見を持つ桃恵は、過去の同性愛的な関係に苦しみながらも、他の仲間たちと共にワンダーキラーとの戦いを繰り広げます。
エッグ世界
エッグを持って寝ることで出現するこの世界では、少女たちが過去のトラウマと向き合い、再生のための戦いが繰り広げられます。それぞれのエッグ世界は、持ち主によって異なり、彼女たちの願いを叶えるための舞台ともなっています。敵との戦いを通じて、彼女たちは自己を再発見し、成長していく様子が描かれます。
スタッフ
本作の原案と脚本を担当したのは野島伸司で、監督には若林信が起用されています。キャラクターデザインや総作画監督には高橋沙妃が参加しており、音楽にはDÉ DÉ MOUSEやミトが関わっています。
主題歌
オープニングテーマは「
巣立ちの歌」で、エンディングテーマには「Life is サイダー」が使用されています。いずれも、メインキャストによるユニット「アネモネリア」が歌っています。
行間を埋めている感情的な描写や登場人物たちの内面的な葛藤、思春期の苦悩などが丁寧に描かれ、視聴者の心に深く響く作品となっています。『ワンダーエッグ・プライオリティ』は、ただのアニメ作品に留まらず、心の深いところに触れるストーリーとキャラクターたちの成長を描いた感動的な作品です。