ワンド (タロット)

ワンド（Wands）

ワンドは、タロットカードの小アルカナに含まれる4つのスートの1つで、主に棒や杖を象徴しています。この用語は20世紀の英語圏で広まり、フランス語では "les bâtons" として知られています。一般的にワンドはトランプのクラブに相当し、火の要素を象徴する役割を果たします。

ワンドのカードの種類と意味

タロットカードの解釈における一般的な意味は、アーサー・エドワード・ウェイトの『タロット図解』に基づいて説明されます。ここでは、ワンドに関連するカードとその象徴する意味を紹介します。

ピップカード（数字札）

• - ワンドのエース（ワンドの1）：創造力や新たな出発を示唆しています。
• - ワンドの2：財産や地位、荘厳さを象徴します。
• - ワンドの3：確立された力や商業的な協力を表します。
• - ワンドの4：仕事の完成、安息、平和を意味します。
• - ワンドの5：競争やスポーツにおける熱意を示します。
• - ワンドの6：勝利や良い知らせの到来を暗示します。
• - ワンドの7：勇気や交渉、克己の力を表現します。
• - ワンドの8：活動的で迅速な動きを意味します。
• - ワンドの9：抑圧された状況下の強さや警戒を示します。
• - ワンドの10：重圧や財産の過剰を象徴し、重たさを感じさせます。

コートカード（人物札）

• - ワンドのペイジ：若い男性で、忠誠心や外交的な役割を持っています。
• - ワンドのナイト：出発や冒険心にあふれる若者を象徴します。
• - ワンドのクイーン：田舎の女性で、親しみやすく信頼のおける性格を示します。
• - ワンドのキング：正直で良心的な田舎の男性として描かれています。

ウェイト版の寓意画の解釈

ウェイト版タロットにおいて、各カードには独自の寓意画が描かれており、以下の一般的な解釈があります。

ワンド全般の象徴

ワンドは体を支える杖の役割を持ち、また住居を作るための資材としても使用されます。このような多様な用途が原始的な力を象徴しており、創造力や活力の源泉となります。

個々のカードの詳細な解釈

• - ワンドのエース：雲から右手が差し出され、新しい芽を持つ棒が描かれています。この新芽は生命力や新しい情熱を象徴し、自信に満ちた握りがその強さを示します。

• - ワンドの2：地球儀と棒を持つ若者が遠くを見つめており、未来への展望を強調します。固定されている棒は、確固たる地位を示唆します。

• - ワンドの3：人物が背を向けており、貿易を象徴する船が描かれています。これにより、グローバルなビジョンを持った計画の実行を暗示しています。

• - ワンドの4：4本の棒で作られた門の前で、2人の人物が歓迎しています。これは成功した成果を祝う場面を示し、安息へ向かうことを暗示します。

• - ワンドの5：5人の若者が棒を振り回し、各々が異なる意見を持っている様子が描かれます。これは混雑する競争の場を示唆しています。

• - ワンドの6：白馬に乗った勝利者が凱旋しており、皆から祝福されています。外見の違和感から、この凱旋が本物かどうかを考察させます。

• - ワンドの7：崖から追い詰められている男性が描かれ、彼は防御の姿勢を取っています。この視覚的な要素は、彼がまだ選択の余地があることを示唆しています。

• - ワンドの8：8本の棒が並行に伸び、川を越えていく様子が描かれています。これらは異なるタスクを正確に処理する能力を表現しています。

• - ワンドの9：包帯を巻いた男性が不安そうに見つめており、外的な圧力に対して自分を守ろうとしています。

• - ワンドの10：10本の棒を抱え、曲がった背中の人物が描かれており、ストレスを示しています。抱えきれない重 burden に対する圧迫感が伝わります。

• - ワンドのペイジ：使命を持った若者が真摯に取り組む姿が描かれています。

• - ワンドのナイト：荒馬に騎乗した騎士が駆けていく様子から、急速な行動を示唆しています。

• - ワンドのクイーン：優雅に座る女王の姿に、リーダーシップと親しみやすさが表現されています。

• - ワンドのキング：まず前のめりな姿勢で語りかける王が描かれており、エネルギッシュでカリスマ的な側面を強調しています。

参考文献

• - 伊泉龍一『タロット大全 - 歴史から図像まで』紀伊國屋書店、2004年。

ワンドのカードは、創造的な力や情熱を象徴し、それぞれのカードが独自のメッセージを伝えています。

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