ワン・フロム・ザ・モダン

オーシャン・カラー・シーン (Ocean Colour Scene) の4thアルバム『ワン・フロム・ザ・モダン (One from the Modern)』は、バンドの音楽性の変化を示す作品としてリリースされました。過去のアルバムとは異なり、本作はよりスローでメランコリックな雰囲気を特徴としています。

しかし、この変化は批評家から厳しい評価を受けることとなり、商業主義に走りすぎたとして「ダッド・ロック」というレッテルを貼られることもありました。ヘラルド誌のデヴィッド・ベルチャーは、アルバムの「声を押し殺したヴォーカル」や「困惑した歌詞」を批判し、インデペンデント誌のニコラス・バーバーは、サイモン・ファウラーのヴォーカルと歌詞が何を伝えたいのか不明瞭であると指摘しています。

アルバムからは、「プロフィット・イン・ピース (Profit in Peace)」と「ソー・ロウ (So Low)」が最初のシングルとしてリリースされ、その後「アイ・アム・ザ・ニュース/ジュライ (I Am the News/July)」が続きました。「ソウル・ドライヴァー (Soul Driver)」は、バンドの成長を支えたポール・ウェラーに捧げられた楽曲です。

アルバムのカバー写真は、イングランド、ソリフル近郊のナショナル・トラストが管理するパックウッド・ハウスのユー・ガーデンで撮影されました。この庭園の風景が、アルバムの持つ独特の雰囲気を象徴していると言えるでしょう。

収録曲

1. プロフィット・イン・ピース (Profit in Peace) - 4:14
2. ソー・ロウ (So Low) - 3:54
3. アイ・アム・ザ・ニュース (I Am the News) - 4:03
4. ノー・ワン・アット・オール (No-one at All) - 3:34
5. ファミリーズ (Families) - 3:11
6. ステップ・バイ・ステップ (Step by Step) - 2:34
7. ジュライ (July) - 2:56
8. ジェイン・シー・ガット・エクスカヴェイテッド (Jane She Got Excavated) - 3:35
9. エミリー・チェンバーズ (Emily Chambers) - 2:40
10. ソウル・ドライヴァー (Soul Driver) - 3:44
11. ザ・ウェイヴス (The Waves) - 6:08
12. アイ・ウォント・ゲット・グレイズド (I Won't Get Grazed) - 2:51
13. カーネーション (Carnation) - 日本盤限定ボーナストラック
14. フラッド・タイド・ライジング (Flood Tide Rising) - 日本盤限定ボーナストラック

『ワン・フロム・ザ・モダン』は、オーシャン・カラー・シーンにとって転換期となったアルバムであり、その音楽性の変化は、ファンや批評家の間で議論を呼ぶこととなりました。

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