ワープス

WARPS（わーぷす）

WARPS（わーぷす）は、日本で初めて誕生した汎用テーブルトークRPG（TRPG）です。このゲームは1988年に発売され、独自のシステムとテンポの良いプレイスタイルで多くのファンを魅了しました。企画・製作はORGが担当し、ゲームプロデューサーの大貫昌幸氏やゲームデザイナーの小島裕貴子氏が関与しています。全体的に、WARPSは「豪快な冒険が楽しめるRPG」という意味を持つ「Wild Adventure Role Playing System」の略称とされています。

歴史背景

WARPSは、アニメ映画「ワープス・カリオストロの城」や「ワープス・逆襲のシャア」のTRPG化を経て、1988年に「ワープス・オリジナルセット」として発売されました。この製品は、基本ルールを簡潔にまとめたボックス型で提供されました。これにより、TRPGのプレイヤーキャラクターが物語の中で派手に活躍することを可能にしました。当時、TRPGのキャラクターは成長に時間を要し、強くなるためには多くのプレイ時間を必要としましたが、WARPSはその常識を打破し、プレイスタイルを一新しました。

ゲームの特徴

特にWARPSの特徴として挙げられるのが、ヒーローポイントを基にした「ヒーロー効果」という革新的なシステムです。ヒーローポイントを使うことで、プレイヤーは物語の展開に瞬時に影響を与えることができます。たとえば、「実はそこにいた」という効果を使用すれば、プレイヤーのキャラクターが一瞬で重要なシーンに現れることが可能です。このような効果により、初心者でも物語の主人公を体験できるようになっています。

さらに、抑制力チェックと決断力チェックといった独自のルールも用意されており、プレイヤーの発言や行動によってキャラクターの行動に制約が加わります。これにより、ゲーム内のコミカルなやりとりを促進し、プレイの楽しさを加味しています。これらのルールは、一見するとゲームを停滞させる要因となるように思えますが、実際にはプレイヤーの体験を豊かにするために設計されています。

発売された製品とマテリアル

WARPSの基本セットは、その後もいくつかの拡張サプリメントや関連製品がリリースされ、特にファンタジーや未来の設定をテーマにしたシリーズが好評を博しました。中でも「ワープスファンタジー」シリーズは、アニメスタイルの派手な世界観が特徴で、プレイヤーに新たな挑戦を提供しています。これに加えて、特定のアニメ作品を基にしたサプリメントも存在し、独自のシナリオが展開される場面も多くありました。

残念ながら、「新ワープス」は制作中に大貫氏が亡くなるという悲劇があったため、企画は消滅してしまいましたが、WARPSが築いた基礎はその後のTRPGに多大な影響を与えました。

結論

WARPSは、日本のTRPGシーンにおいて革新的な存在として位置付けられており、プレイヤーに独自の冒険体験を提供し続けています。そのユニークなルールや、自由度の高いプレイスタイルは、多くのゲーム愛好家に影響を与え、多様な遊び方を促進しました。この歴史的な作品は、今もなお新たなプレイヤーによってその楽しさが伝承されています。

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