ワールドサッカーウイニングイレブン10

『ワールドサッカーウイニングイレブン10』は、コナミデジタルエンタテインメントから2006年 4月27日に発売された、PlayStation 2向けのサッカーシミュレーションゲームです。ウイニングイレブンシリーズのナンバリングタイトルとして登場しました。同年12月14日には、Xbox 360向けに『ワールドサッカーウイニングイレブン X』、PlayStation Portable向けに『ワールドサッカーウイニングイレブン10 ユビキタスエヴォリューション』といった派生バージョンもリリースされています。海外版では機種に関わらず、PESシリーズとしてナンバリングが統一されていました。

本作のキャッチコピーは「ウイイレなら、一緒に戦える。」でした。

概要

シリーズにおける位置づけとしては、次作から海外版のPESシリーズに合わせて西暦表記に統一される前の、最後のナンバリング作品にあたります。

ゲームを盛り上げる実況はジョン・カビラ氏、解説は北澤豪氏が担当し、ピッチの臨場感を伝えるレポーターは岩本輝雄氏が務めました。欧州や南米のナショナルチーム、クラブチームといったライセンスが前作からさらに拡充され、登場する選手やチームがよりリアルに再現されています。本作のイメージキャラクターには、日本代表監督を務めていたジーコ氏、そして中心選手であった中村俊輔氏（Xbox 360版ではアドリアーノ・レイテ・リベイロ氏）が起用されました。

ゲームプレイにおいては、新たなテクニックとして低速ドリブルやストップまたぎフェイントなどが追加され、より多彩な選手操作が可能になりました。

ゲームモード

据置機版（PS2版、Xbox 360版）では、2006年に行われたFIFAワールドカップに合わせて、地域の予選を勝ち抜きインターナショナルカップ優勝を目指す「ニッポンチャレンジ」や「インターナショナルチャレンジ」といったモードが収録されています。

ネットワーク機能に関しては、PS2版では前作に存在したオンラインモードが残念ながら削除されました。しかし、Xbox 360版ではXbox Liveを通じたオンライン対戦に対応しています。携帯機のPSP版では、シリーズで人気のモードである「マスターリーグ」が初めて搭載された点も特筆されます。

ライセンス情報

本作では、国内や各国のカップ戦は全て架空の名称で登場します。PSP版においては、同時期に発売された『Jリーグウイニングイレブン10 +欧州リーグ'06-'07』で加えられた変更点のうち、Jリーグに関する部分を除く内容が反映されています。

主なリーグのライセンス状況は以下の通りです。

プレミアリーグ（イングランドリーグ）: 架空の名称で登場。実名収録はPS2版ではアーセナルとチェルシーのみ。PSP版ではチェルシーの代わりにマンチェスター・ユナイテッドが実名化されました。
リーグ 1（フランスリーグ）: 架空の名称で登場し、PS2版では全てのクラブが偽名でした。PSP版ではフルライセンスでの収録が実現しています。
ブンデス・リーガ（ドイツリーグ）: 架空の名称で登場し、PS2版ではバイエルン・ミュンヘンのみ実名で、他クラブは偽名でした。PSP版ではリーグ自体が削除され、バイエルンは「他リーグ」に移動しています。
セリエA: ほぼフルライセンスでしたが、PS2版ではカリアリが含まれておらず、架空のチームが収録されていました。PSP版ではフルライセンスでの収録となり、さらに「カルチョ・スキャンダル」によってセリエBへ降格処分となったユベントスが「他リーグ」に実名で追加されています。
エールディヴィジ: PS2版、PSP版ともにフルライセンスです。
リーガ・エスパニョーラ: PS2版、PSP版ともにフルライセンスです。

上記主要リーグの他に、実名で登場する「他リーグ」のクラブも多数収録されています。PS2版ではガラタサライ、コペンハーゲン、ジュールガルデン、セルティック、レンジャース、ディナモ・キーウ、ポルト、ローゼンボリなどが実名で登場。PSP版ではこれらのクラブに加え、オリンピアコス、スポルティング・リスボン、ベンフィカも実名化されています。

このように、本作は機種によって収録モードやライセンス状況に差が見られ、シリーズの過渡期を象徴するタイトルと言えるでしょう。

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