ワールドファイティングブル

ワールドファイティングブル（WORLD Fighting Bull）は、アパレル事業などを手掛ける株式会社ワールドがかつて所有・運営していた社会人ラグビーチームです。1984年4月に創部され、日本の社会人ラグビー界において強豪としての地位を築きましたが、2009年3月14日をもって休部しました。

練習拠点

チームの活動拠点は兵庫県神戸市に置かれ、特にワールドが自社保有する六甲アイランドのラグビー場を主要な練習グラウンドとして利用していました。このグラウンドは1990年に2面の設備として完成しましたが、時代の流れとともに変遷をたどります。後に1面が売却されてマンション建設用地となり、チームが休部した後には残りの1面にもマンションが建てられ、ラグビー場としての機能は完全に失われました。

チームの歴史と成績

創部当初からチームはめざましい活躍を見せ、1988年にトヨタ自動車に敗れるまでの間、社会人リーグで31連勝という驚異的な記録を樹立しました。1990年には、前述の六甲アイランドにメイングラウンドが整備され、活動基盤が強化されました。

特に1994年はチームにとって記念すべき年となりました。第49回国民体育大会に出場し、見事初の全国優勝を達成。この決勝戦では、当時71連勝中だった神戸製鋼を破るという歴史的な快挙を成し遂げました。同年には関西社会人Aリーグでも7戦全勝の成績で初優勝を果たしています。1999年には全国社会人大会の決勝まで駒を進めましたが、惜しくも神戸製鋼に敗れ準優勝となりました。

トップリーグへの挑戦と降格

2002年に行われた最後の全国社会人大会では、トヨタ自動車を相手に逆転勝利を収め、翌2003年から新たに開幕するジャパンラグビートップリーグへの参入権を獲得しました。トップリーグ初年度の2003-04シーズンは5位とまずまずの成績を残しましたが、続く2シーズンは順位を落とし、連続で下部リーグとの入れ替え戦に回る苦しい戦いが続きました。そして、2006-07シーズンはわずか1勝しか挙げられず、1試合を残してトップウェストAへの降格が決定しました。

降格後の活動と休部

トップウェストAに降格した2007-08シーズン、ワールドファイティングブルはレギュラーリーグを1位で終え、トップリーグへの早期復帰を目指しました。しかし、その後のプレーオフで近鉄に敗れ2位となり、トップリーグ自動昇格チームが出場するトップチャレンジ1への道は閉ざされました。各リーグ2位チームによるトップチャレンジ2では1位となり、トップリーグとの入れ替え戦に進みましたが、日本IBMに敗れ、1年でのトップリーグ復帰は叶いませんでした。翌2008-09シーズンもトップウェストAで戦いましたが、レギュラーリーグ3位に終わり、プレーオフでも敗退し、トップチャレンジに進むことはできませんでした。

チームは2008年7月29日、プロ契約選手を廃止し、原則として社員契約選手のみでチーム運営を行う方針を公表しました。しかし、この方針転換を受けて多くの選手がチームを離れ、部員数が大幅に減少したため、企業チームとして活動を継続することが困難となりました。これにより、2009年3月14日にチームの休部が正式に発表されました。

休部後、ワールドファイティングブルは、当時関西クラブリーグAリーグに所属していた「六甲クラブ」（六甲SEA HAWKS）と統合し、「六甲ファイティングブル」として再編成されました。ただし、旧ワールドファイティングブルが保持していたトップウェストAのリーグ参加権は、統合後の六甲ファイティングブルには引き継がれませんでした。

主な所属選手

ワールドファイティングブルには、日本代表経験を持つ大西将太郎をはじめ、多くの実力派選手が在籍していました。過去の所属選手には以下のような名前が挙げられます。

田代義晴
沼田邦光
ウェブ将武
大西将太郎
織田己知範
木村敏隆
黒川雅弘
四宮洋平
立川政則
竹下敬介
長田剛
玉木一史
羽根田智也
東田哲也
福岡幸治
藤掛三男
本多貴
真羽闘力
松尾勝博
マット・コベイン
マナコ朗仁
三木亮平
向山昌利
安田昇
古賀慎一郎

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