ワールド・ウイスキー・アワード

ワールド・ウイスキー・アワード（World Whiskies Awards, WWA）は、英国にて開催される、世界的に権威のあるウイスキーのコンペティションです。英国のパラグラフ・パブリッシング社が発行するウイスキー専門誌『ウイスキー・マガジン』が主催・運営しており、2007年に始まりました。

このアワードは、2001年から隔年で行われていたパラグラフ・パブリッシング社主催の『ベスト・オブ・ベスト』という品評会を前身としています。ウイスキー業界における品質向上と多様性の促進を目的としており、世界中の優れたウイスキーを表彰することで、消費者に対して質の高いウイスキーの情報を提供し、ウイスキー文化の発展に寄与しています。

WWAの審査は、非常に厳格かつ公平なプロセスを経て行われます。まず、世界各国から選ばれたウイスキーの専門家たちが、完全に銘柄を伏せた状態でのテイスティング、いわゆるブラインドテイスティングを実施します。この一次審査では、香、味、フィニッシュなどを総合的に評価し、各国のカテゴリーごとに優秀と評価されたウイスキーが選出されます。

次に、各国で選ばれた優秀なウイスキーが英国へと集められ、最終審査へと進みます。最終審査でも、再び世界的な権威を持つウイスキー専門家チームによって厳正なテイスティングが行われます。この段階で、それぞれのカテゴリーにおけるトップウイスキーが決定されます。

審査対象となる部門は多岐にわたります。代表的な部門としては、シングルモルトウイスキー、ブレンデッドウイスキー、ブレンデッドモルトウイスキー（ピュアモルトウイスキー）などがあり、さらに国別や熟成年数別のカテゴリーも細かく設定されています。それぞれの部門において、最も優れたウイスキーが「ワールド・ベスト」として世界最高賞に選ばれるほか、カテゴリーごとの最優秀賞や金賞、銀賞、銅賞なども授与されます。

WWAで受賞することは、そのウイスキーが世界的に認められた高品質であることを意味し、各ブランドにとって大きな栄誉となります。特に「ワールド・ベスト」に輝いたウイスキーは、世界中のウイスキー愛好家や専門家から注目を集め、その後の評価や販売に大きな影響を与えます。

特に日本のウイスキーは近年高い評価を受けており、WWAでも数々の賞を受賞しています。例えば2015年にはニッカウヰスキーの『竹鶴17年ピュアモルト』が、ブレンデッドモルトウイスキー部門で世界最高賞を獲得しています。これは竹鶴ブランドとして7回目の受賞であり、当時テレビドラマの影響もあり海外での認知度も高まっていた日本のウイスキーの品質の高さを改めて世界に示す出来事となりました。

このように、ワールド・ウイスキー・アワードは、世界中のウイスキーの品質を競い、その多様性と素晴らしさを称える、ウイスキー業界における重要な国際イベントとして位置づけられています。

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